「急性心筋梗塞」の初期症状や助かる確率はご存知ですか?医師が徹底解説!

「急性心筋梗塞」の初期症状や助かる確率はご存知ですか?医師が徹底解説!

急性心筋梗塞の代表的な合併症

急性心筋梗塞は、心臓の筋肉が急激に壊死する疾患です。そのため、さまざまな合併症を起こす可能性があります。ここでは、代表的な三大合併症をご紹介します。

心不全

心筋梗塞は心臓の筋肉が壊死する疾患なので、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出すことができなくなります。その状態を、心不全といいます。症状として、息切れ、全身倦怠感、浮腫(むくみ)、動悸などが起こります。完治することは難しく、早期の治療やリハビリにより進行を抑える治療が行われます。急激に増悪することもあるので、定期的な受診とともに自身の症状観察が大切です。

不整脈

急性心筋梗塞後、特に広範囲の心筋が壊死した場合、不整脈が後遺症として残ることがあります。その中でも、心室細動や心室頻拍は、突然死のリスクを高めるため、慎重なモニタリングが必要です。必要に応じて、薬物療法や植え込み型除細動器(ICD)が治療として用いられます。

心臓破裂

心筋梗塞による心筋壊死によって、心筋が弱くなり、破れてしまうことがあります。重篤な合併症であり、命を落とすこともたびたびあります。突然の激しい胸痛、呼吸困難、ショック、意識消失などの症状が見られます。治療として、緊急手術が必要となりますが、予後は非常に厳しいことが多いです。

「急性心筋梗塞」についてよくある質問

ここまで急性心筋梗塞について紹介しました。ここでは「急性心筋梗塞」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

急性心筋梗塞の生存率について教えてください。

佐藤 浩樹 医師

急性心筋梗塞の重症度のよってかなりの違いがあるので一概にはお答えできません。2020年度の統計資料によると、日本の死因の第2位は心疾患であり、全体の15.0%を占めていました。そのうち、約15%が急性心筋梗塞によるものです。生存率が高い疾患ではありません。

編集部まとめ

急性心筋梗塞は、現在でも命を落とす可能性が高い疾患です。でも、早期発見および早期治療により救命は可能です。加えて、後遺症に悩む確率も減ります。発症には生活習慣病因子が大きく関わっているので、日常生活を見直し、食事や運動などで予防対策が重要です。

「急性心筋梗塞」と関連する病気

「急性心筋梗塞」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気狭心症

解離性大動脈瘤

心膜炎肺塞栓症
呼吸器科の病気胸膜炎
整形外科の病気肋間神経痛

急性心筋梗塞と類似の症状が起こる疾患は多いです。その中には、命にかかわる疾患もあります。早期の診断と治療は極めて重要なので、早期に医療機関を受診することをお勧めします。

「急性心筋梗塞」と関連する症状

「急性心筋梗塞」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

胸痛

胸部圧迫感

冷や汗

左肩が痛い

左腕が痛い

顎の痛み

心窩部痛

これらの症状は急性心筋梗塞以外の疾患でも認められます。症状が軽ければ、様子見の患者さんも多々おります。続く場合は、命に関わる疾患の可能性もあるので、早めに医療機関を受診して適切な指示をもらうことが重要です。

参考文献

急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)

冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン(2023年改訂版)

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