肘内障の前兆や初期症状について
肘内障は腕を引っ張られたり転倒したりした時の外力が原因であるため、発症前の前兆はありません。初期症状としては、泣き叫ぶほどの急激な痛みが生じます。大きな痛みを伴うため腕を動かそうとせず、肘を少し曲げて腕を下げたままにする特徴があります。
肘内障は亜脱臼であり、組織の損傷がないため腫れや内出血などの炎症症状はみられません。腫れや内出血などの炎症症状が見られた時には骨折や脱臼などとの鑑別が必要です。
肘内障の検査・診断
肘内障の検査・診断は問診とレントゲン画像で行います。肘内障を発症する子どもの多くは手を引っ張られたなどのエピソードがあり、痛みを訴えます。もし具体的なエピソードがあり、明らかに肘内障が疑われる場合にはレントゲン検査を省略して整復治療をすることもあります。
しかし、親が見ていないところで転倒して腕を動かさなくなったという子どももいるため、肘内障に至った原因がわからないことも少なくありません。
具体的なエピソードがわからない場合には、骨折(上腕骨外顆骨折・肘頭骨折など)や脱臼(肘関節脱臼)との鑑別が重要です。骨折であればレントゲン検査で異常所見として骨折線が確認でき、脱臼であれば関節から骨が外れている様子がわかります。
また、骨折や脱臼であれば痛みのほか腫れ・内出血などの炎症所見があります。そのため、視診で全身状態のチェックをすることも重要です。
配信: Medical DOC