肘内障の治療
肘内障の治療では医師による整復を行います。前腕を回外させつつ橈骨頭を抑え、ゆっくり肘を曲げる方法が一般的です。問題なく整復されると、「コク」っというクリック音がなり、はまり込む感覚が得られます。
整復には麻酔は必要なく、1分以内に整復できることがほとんどです。多くの子どもは整復直後から泣き止み、動かさなかった腕も動かすようになります。その後固定する必要もなく、日常生活に制限はありません。
しかし、なかには肘内障を再発する子どももいるため、肘内障の整復後も少し様子を見る必要があります。もし痛がったり動かしたがらない場合には時間をおいて再び整復します。
肘内障になりやすい人・予防の方法
肘内障は2〜6歳の幼児に発症しやすい疾患です。性別差や左右差などによる発症のしやすさは報告されていません。橈骨輪状靭帯が発達しきっていない幼児に発症しやすく、成長と共に発症しにくくなる特徴があります。
肘内障の予防方法としては腕を引っ張らないようにすることが挙げられます。特に親子で手を繋いで歩いている時の転倒や子ども同士のケンカによる取っ組み合いで発症することが多いため、このようなシチュエーションを避けることが予防方法といえます。
しかし、親の見ていないところでの転倒や赤ちゃんの寝返りによって発症する可能性もあり、完全な予防は難しいでしょう。
整形外科や小児科で処置してもらえば大きな問題にならないことがほとんどですので、肘内障が疑われる場合は迅速に整形外科・小児科を受診することが大切です。
関連する病気
肘関節脱臼
上腕骨外顆骨折
肘頭骨折
参考文献
日本整形外科学会肘内障
日本医師会肘内障
日本臨床整形外科学会肘内障
配信: Medical DOC
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