肛門周囲膿瘍の前兆や初期症状について
肛門周囲膿瘍の主な初期症状は、肛門の周りの激しい痛みや腫れ、皮膚の赤み、発熱です。
皮膚から深い位置の膿瘍では、腫れがわかりにくいですが肛門の奥に鈍い痛みが現れます。
痛みの症状は、膿瘍が大きくなるにつれて次第に強くなります。
肛門周囲膿瘍の検査・診断
肛門周囲膿瘍では、主に以下のような検査が行われます。
視診・指診・肛門鏡検査
超音波(エコー)検査
CT検査
MRI検査
瘻孔造影(ろうこう造影)
視診・指診・肛門鏡検査
肛門周囲膿瘍は視診や指診、肛門境検査で診断できます。
視診では肛門の周りの皮膚の赤みや腫れを確認し、指診で患部の膨らみや痛み、熱感を確認します。患部が赤く腫れ、熱っぽくて、痛みがあれば、肛門周囲膿瘍と診断できます。
肛門周囲膿瘍の原因が痔瘻である場合には、肛門鏡を肛門に挿入して観察することで、肛門陰窩に一次口という膿が出ている穴を確認できることがあります。
超音波(エコー)検査
超音波(エコー)検査は超音波を当てて画像を撮影する検査であり、肛門周囲膿瘍の診断に有効です。
プローブという指ほどの太さの棒を肛門に挿入して、肛門周辺にある膿瘍の部位や広がりの状態を確認します。
CT検査
CT検査は360°方向からX腺を体に向けて当てることによって、身体の輪切り画像を撮影する検査です。
CT検査は肛門から深い位置にある坐骨直腸窩膿瘍や骨盤直腸窩膿瘍の診断に優れており、適切な手術方法の選択に有効です。
MRI検査
MRI検査は磁気を利用して身体の断面を撮影する検査で、臓器の位置関係の把握に優れています。
深い位置にある肛門周囲膿瘍や走行の把握が難しい痔瘻の診断、手術方法の検討に有効です。
瘻孔造影
瘻孔とは臓器と他の臓器をつなぐ正常では存在しない管状の穴のことであり、瘻孔造影ではヨード造影剤を瘻孔に流し込み、時間の経過とともに造影剤の移動を観察します。
瘻孔造影は瘻管の広がりや、痔瘻の原因となっている原発口の位置を把握することに優れています。
直腸と膣のあいだにできる直腸膣瘻のような周辺臓器と交通している病変を合併している場合に行われます。
配信: Medical DOC