「肺がん発覚のきっかけとなる自覚症状」はご存知ですか?【医師監修】

「肺がん発覚のきっかけとなる自覚症状」はご存知ですか?【医師監修】

肺がんの診断方法

肺がんを診断するためには、複数の検査を受ける必要があります。検査でチェックするのは以下のポイントです。

肺の様子に異常はないか

肺の異変の原因ががんか

肺がんの種類はなにか

肺がんは身体のどこに拡がっているか

検査は段階的に進められます。肺がんは症状が出ないため、病気の実感がわかない患者さんが検査の必要性に疑問を持ったり、がん確定の不安感から検査が億劫になるケースもあります。がんの早期発見のために、検査は早めに受けましょう。

胸部X線検査・CT検査

肺がんが疑われる影がないか画像検査を行います。胸部X線検査とはいわゆるレントゲン検査です。
胸部X線検査で疑わしい様子が見つかると、CT検査が追加されます。身体を輪切りにしたような画像データを作成し、病変の大きさ・場所・転移の有無を調べます。

喀痰細胞診

喫煙習慣があり肺がんリスクが高い患者さんに実施される、痰のなかにがん細胞がないか調べる検査です。
現在は禁煙している患者さんや加熱式たばこを使っている患者さんも対象です。3日間起床時に痰を取ってもらい、検査します。

気管支鏡検査・生検

気管支鏡検査は、電子カメラで気管支内を観察する検査です。気管支鏡とは先端に電子カメラが付いた細い管で、患者さんの鼻・口から気管支内に挿入します。
主な目的は画像検査で調べた病変の観察と、生検のための組織の採取です。生検とは病変の組織を顕微鏡で調べる検査で、生検組織診断とも呼ばれます。

経皮的針生検

気管支鏡では病変に届かないときには、体表から針を刺して病変がある部分の組織を採取します。
ただし合併症リスクがあるため、患者さんの健康状態によっては実施できません。

胸腔鏡検査

胸を小さく切開して内視鏡を挿入し、病変がある部分の組織を採取します。肺だけでなく、転移が疑われる胸膜・リンパ節の組織の採取もできる点が優れています。

肺がんの早期発見のポイントと予防

肺がんは自覚症状がないという特徴から、健康診断・検査しなければ発見が難しい病気です。肺がんの早期発見と予防のために、なにができるでしょうか。

自治体の肺がん検診

各自治体は、少ない自己負担額で受けられるがん検診を実施しています。これは厚生労働省が定める、がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針によって推し進められている事業です。
肺がん検診も含まれ、40歳以上であれば年に1回の頻度で問診・胸部X線検査と、必要あれば喀痰細胞診の検査が受けられます。詳細は各自治体に確認しましょう。

遺伝子検査

体質的にがんにかかりやすいかを調べる検査を、遺伝子検査と呼びます。遺伝子検査を受け患者さん自身のがん発症リスクを知っておくことは、がんのリスク管理に有効でしょう。
ただし市販の遺伝子検査の信憑性には疑問があります。がんに関連する遺伝子検査は、知識を持った医師の指導のもと医療機関で調べることをおすすめします。

喫煙習慣の見直し

喫煙習慣は肺がんリスクを増大させます。肺がん予防のために、喫煙習慣を見直してください。喫煙者はタバコを吸わない人と比べ、男性で4.4倍、女性で2.8倍肺がんにかかりやすいというデータがあります。

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