多指症の治療
多指症の治療では、全身麻酔を利用した手術が行われます。
どの指を切除するか、余分な指の組織をどの程度利用するかは、余分な指がどこから分かれているかによって異なります。
余分な指が小さく、他の指と骨や関節を共有していない場合は余分な指を切除するだけで済みます。
しかし、余分な指が隣り合う指とほぼ合致している場合は、余分な指を取り除くだけでなく筋肉や骨の位置を移行させて新しい指を再建する必要があります。
手術の時期
治療時期は個々の状態に合わせて慎重に決めますが、1歳過ぎてから手術を行うことが一般的です。
手は見た目や機能の面で重要な部分であり、幼児にとっては手を使って大人と触れ合うことも大切であるため、早めに手術を行うことが望ましいです。
早期に治療することで正常な手の動きも身につけやすくなります。
ただし、手術や麻酔が子どもに与える影響を考えた場合、ある程度成長してから手術を行う方が良い場合もあります。
特に関節形成や腱移行が必要な場合は、手指が成長してから行うことが推奨されます。
術後の注意点
関節形成や腱移行が必要な手術を行った場合、成長とともに指が曲がったり爪の変形が見られることがあります。
変形の程度によっては、追加の修正手術が必要になるかもしれませんが、専門の医師による適切な治療を受ければ、十分に機能する指を得られます。
多指症になりやすい人・予防の方法
多指症は遺伝的な要因が関与しているため、家族に多指症の人がいる場合に見られる可能性があり、女児よりも男児に多い傾向があります。
現時点では、多指症を予防する明確な方法はありません。
ただし、定期的な妊婦健診を受けることで、早期に異常を発見して先に向けた対策を立てられる可能性があります。
関連する病気
合指症
短指症
巨指症
裂手
先天性絞扼輪症候群
参考文献
一般社団法人 日本形成外科学会多指症
広島大学原爆放射能 医学研究所 先天異常の定義・ 用語・ 総括的分類
手外科シリーズ26母指多指症
日小整会誌第 2 趾多趾症の治療経験
配信: Medical DOC
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