「胆石症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「胆石症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)

兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野

胆石症の概要

胆石症とは、胆管とよばれる胆汁の流れ道に石(胆石)ができる病気のことです。

胆石が存在する部位によって3つに分類されます。胆嚢(たんのう)の中にあれば「胆嚢結石」、肝臓外の胆管にあれば「総胆管結石」、肝臓の中にあれば「肝内結石」と呼ばれます。胆石症のうち約80%は胆嚢結石であり、総胆管結石は約20%、肝内結石は約2%といわれています。

胆石症になっても、胆嚢結石では8割、総胆管結石では2〜3割の人は自覚症状がない無症状胆石です。無症状胆石の場合はがんが疑われる所見がなければ経過観察となるケースが多いですが、症状がない場合でも胆石が胆管に落ちてしまい、総胆管結石を発症した場合は残りの石も落ちてしまう可能性があるため手術の適応となります。

一方で総胆管結石は腹痛や胆管炎などの炎症を起こすことがあり、胆管炎は重症化することもあるため、主に内視鏡による治療が行われます。
肝内結石は、胆管炎、総胆管結石、胆管癌などを発症するリスクがあるため基本的に内視鏡治療の適応となります。内視鏡治療が困難であった場合、状況に応じて外科手術が検討されます。

胆嚢がんの約70〜90%に胆石が合併しているといわれています。胆嚢結石と診断された場合には、がんの合併がないか評価することが重要です。また胆嚢がんでない場合も、定期的に経過を見ていく必要があります。

胆石症の原因

胆石は胆汁に含まれる成分が固まることが原因で生じます。石の成分の違いでコレステロール胆石、色素胆石、まれな胆石の3つに分けられます。コレステロール胆石は、胆汁に含まれるコレステロール濃度が高いときに作られます。色素胆石はビリルビンカルシウムと呼ばれる胆石が多く、胆汁に細菌が感染する胆道感染が原因といわれています。

胆石が作られやすい胆汁となる原因としては、高カロリーな食事や動物性脂肪のとりすぎ、脂質異常症、肥満、急激な体重減少などがあります。
またホルモン補充療法や妊娠、長期間の経口避妊薬の使用、絶食、胃を切除した後も胆石ができやすくなるといわれています。

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