「天疱瘡」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「天疱瘡」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

天疱瘡の前兆や初期症状について

天疱瘡の初期症状は、主に粘膜や皮膚に現われます。
尋常性天疱瘡では、口腔に痛みを伴う水疱が生じ、食事が摂りにくくなります。
落葉状天疱瘡では、頭や背中などに浅いびらんや赤い発疹が生じ、皮膚がフケのように剥がれます。

どちらの場合も症状が徐々に進行するため、早めに診断を受けて治療をすすめることが重要です。

天疱瘡の検査・診断

天疱瘡は粘膜や皮膚に生じている症状を確認した後、血液検査や生検検査をおこないます。
臨床的な症状以外に、デスモグレインに対する自己抗体や、組織内に特異的な病変が認められた場合は天疱瘡と診断されます。

血液検査

血液検査でデスモグレインに対する自己抗体について調べます。
尋常性天疱瘡ではデスモグレイン3(Dsg3)に対するIgG自己抗体、落葉状天疱瘡ではデスモグレイン1(Dsg1)に対するIgG自己抗体が認められます。

生検検査

生検検査では病変が起きている粘膜や皮膚から、小さな組織を採取して状態を調べます。
採取した組織は顕微鏡を使用して、表皮内の水疱の有無を確かめます。
天疱瘡では粘膜上皮や表皮のなかで細胞間での接着が保てないため、表皮内に水疱が起こる特徴があります。

さらに直接蛍光抗体法によって、表皮細胞の表面にIgG自己抗体の沈着がないか確かめます。

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