「凍傷」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「凍傷」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

監修医師:
眞鍋 憲正(医師)

信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。

凍傷の概要

凍傷は、極度の寒さにさらされることで皮膚や組織に傷害が生じた状態です。
特に厳しい寒さや強風、高地での活動中に発生しやすく、登山中の遭難や寒冷地での漁業中の事故、冬季スポーツでの不適切な装備などが凍傷の原因です。

凍傷は、足の指先や耳、手、頬など、露出しやすい部分に多く見られます。

また、アルコールを過剰に摂取して泥酔した方や認知症のある方も受傷リスクが高まります。

症状は、皮膚が白くなり、感覚が鈍くなりますが、重度の場合では皮膚が黒くなり壊死することもあります。

寒さにさらされると、局所的または全身的に血管が収縮し、血流が減少することで血栓が形成されることがあります。
全身が長時間寒さにさらされた場合には、昏睡状態になり命に関わることがあるため、一刻も早い治療が求められます。

凍傷の原因

凍傷は、皮膚が極度の寒さにさらされ、組織が損傷されることが原因で発症します。
凍結による組織への直接的なダメージにくわえて、血液の流れが悪くなることで皮膚や皮下組織、血管などが損傷を受けます。

通常、冬山の登山や冬のスポーツ、極低温の物質を扱ったり極低温の場所で作業する仕事中の事故などが原因で発症します。

なお、凍瘡(しもやけ)は組織の損傷を伴わない炎症のため、凍傷とは違う病気です。

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