変形性関節症の治療
変形性関節症の治療では、主に保存療法や外科的治療が行われます。
保存療法
保存療法では、主に薬剤を用いた痛みのコントロールやヒアルロン酸の注入、リハビリテーションが行われます。
リハビリテーションでは、関節への負担を減らすために大腿四頭筋(太ももにある筋肉)や中殿筋(お尻にある筋肉)などの筋力訓練や関節可動域の維持・向上に向けた訓練を行います。また変形性関節症により活動量が低下している場合には、全身の機能の低下を防ぐ訓練などを行います。
外科的治療
保存療法で症状の改善がみられない場合には、外科的治療が検討されます。代表的なのは関節鏡視下手術と人工関節置換術です。関節鏡視下手術は、関節内の傷ついた軟骨や半月板の欠片や増殖した滑膜を取り除く、いわば関節内の掃除を目的とした手術になります。
一方、人工関節置換術は、障害された関節を人工物に置き換えて、機能を回復させるための治療です。部分的に変える方法もあれば、全て変える人工物に変える方法もあります。
変形性関節症になりやすい人・予防の方法
変形性関節症は、加齢や肥満、過去の外傷、関節に負担がかかる活動の多さ、遺伝によって発症しやすいです。
また、筋力の低下や高血圧、認知症、脂質異常なども変形性関節症を発症しやすくする可能性があると指摘されています。
こうした発症リスクを下げるためには、適度な運動や体重管理などを行い、予防に努めることが重要です。
特に運動は、筋肉を強化し、関節への負担を軽減するために欠かせません。ウォーキングや水泳など、負担が少ない運動を取り入れると良いでしょう。その際は、関節に無理な負担をかけないよう、理学療法士などの専門家による指導を受け、正しい姿勢や動作を心がけることも大切です。
さらに、体重管理も予防には欠かせません。適正な体重を維持することで、関節にかかる圧力を軽減し、軟骨の擦り減りを防ぐことができます。
変形性手関節症
参考文献
日本整形外科学会「変形性膝関節症診療ガイドライン」
日本整形外科学会「変形性股関節症診療ガイドライン」
公益社団法人日本WHO協会「変形性関節症」
健康長寿ネット「変形性関節症」
配信: Medical DOC