年々、子宮頸がんが若い世代で発症するケースが増えてきています。20〜30代で発症する確率が高いとされているがんですが、40代で発症率がピークを迎えます。
子宮頸がんの進行スピードは年齢が若い程早いといわれているため、注意が必要です。では、子宮頸がんを早期発見するためにはどのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。
本記事では、子宮頸がん発覚のきっかけ・初期症状・早期発見のポイントを解説します。
子宮頸がんについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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監修医師:
阿部 一也(医師)
医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。
子宮頸がんとは?
子宮頸がんとは、子宮頸部という子宮の入り口に近い部位にできるがんを指します。女性特有のがんはさまざまな種類がありますが、そのなかでも発症率が高いがんです。子宮がんに分類されるがんの約70%を子宮頸がんが占めています。
これまでは30代後半で発症するケースがほとんどでした。しかし、近年では20〜30歳代で発症する方が増えてきています。
子宮頸がんは毎年約10,000人の方が発症しており、そのうちの約2,800人の方が命を落としている病気です。つまり、一生のうちにおよそ76人に1人が子宮頸がんと診断されていることになります。
子宮頸がん発覚のきっかけは?
前述しているとおり、子宮頸がんは初期症状がほとんど出ない病気です。そのため、一体どうすれば子宮頸がん発覚のきっかけとなるのか、気になる方も少なくないでしょう。
では、どのようなことがきっかけとなるのか詳しくみていきましょう。
妊婦健診
子宮頸がん発覚のきっかけとなりやすいのは、妊婦健診です。子宮の入り口に近い部分、つまり子宮に続く腟管の方にがんができた場合には、観察や検査がしやすくなります。
そのため、妊娠発覚と同時に発見されるケースも少なくありません。腟管よりも奥になる子宮体部側にできると、発見が難しいこともあります。
もし、妊娠と同時に子宮頸がんが発覚してしまうと、胎児を育てる働きをする臓器なので素直に喜べない状態に陥ってしまうでしょう。妊娠を希望する際には、前もって子宮頸がんの検査を受けることが大切です。
不正出血
女性特有の悩みとして少なくないのが不正出血です。不正出血で産婦人科を受診すると、子宮頸がんが確認されたというケースも報告されています。
そもそも不正出血とはどのような出血なのでしょうか。不正出血とは反対で、生理的出血に該当するものは以下のとおりです。
月経
分娩
産褥期
上記以外の状態で出血した場合は、すべて不正出血になります。11〜13%の女性に発症するとされており、年齢とともに発症リスクが高まっていきます。
また、思春期の月経周期が確立するまでや閉経前の期間には不正出血が起こりやすいのも特徴です。
配信: Medical DOC