「無気肺」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「無気肺」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

無気肺の前兆や初期症状について

無気肺そのものにより、直接的な症状が現れるわけではありません。

しかし、無気肺が進行することで低酸素血症(血液中の酸素が不足)や肺炎などを起こし、さまざまな症状が現れることがあります。これらの症状は、無気肺による虚脱した肺の範囲や進行度によって決まります。

始めのうちは、軽い息切れや呼吸のしづらさなど、軽度の症状であることが多いです。病状が進行すると、次のような症状が現れることがあります。

咳嗽(せき)

呼吸困難

心拍数の増加

胸部の不快感や圧迫感

チアノーゼ(皮膚や唇の青紫色変化)

これらの症状が現れた場合は、無気肺が進行していることが疑われます。診断と治療の遅れにより症状の悪化を招く恐れがあるため、早期の受診が大切です。

無気肺の検査・診断

無気肺の検査・診断は、主に画像診断で行われます。

症状や身体所見、症状が現れた状況などをもとに無気肺が疑われる場合、胸部X線の検査を実施し、肺が虚脱していることが明らかになると、無気肺と診断できます。

胸部X線で判断できない場合やさらに詳細な評価が必要な場合は胸部CTが実施されます。

胸部X線と比べて、胸部CTは診断の精度が高く、胸部を輪切りの画像で細かくチェックできるため、無気肺の範囲や原因を特定しやすいです。これにより、虚脱した肺の部位や圧迫の程度、原因をより正確に評価できます。

また、気道閉塞の原因が疑われる場合には、気管支鏡検査が行われることがあります。この検査では、内視鏡を気管支に挿入し、気道内部を直接観察することで、閉塞の有無やその原因を直接確認できます。

ほかにも、無気肺の原因を特定するために喀痰検査や血液検査、MRI検査などを実施する場合もあります。

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