有痛性外脛骨の治療
有痛性外脛骨の治療は、症状の重症度や患者の活動レベルに応じて、保存療法から手術療法まで幅広い選択肢があります。最初は、保存的治療が第一選択となります。
保存的治療には、安静、運動制限、消炎鎮痛剤の服用などが含まれます。特に、症状が強い初期段階では、足への負担を軽減するために短期間の安静が大切です。
また、足のアーチをサポートするためのインソールの使用も効果的です。足の構造をサポートし、過剰骨への過度の負担を軽減します。
痛みを軽減するためには物理療法も大切であり、超音波治療などが行われます。
保存的治療で十分な改善が見られない場合、過剰骨周辺へのステロイド注射が実施されることがあります。この注射は、炎症を抑制し、短期的な痛みの軽減に効果的です。しかし、長期的な使用は避ける必要があります。
保存的治療で十分な効果が得られない場合や、症状が重度で日常生活に大きな支障をきたす場合には、手術療法が必要となることもあります。手術療法では、骨接合術、骨片摘出術、経皮的骨穿孔術など、骨をくっつけたり摘出する術式が用いられます。手術は、症状を根本的に解決する可能性がありますが、リハビリテーションには時間がかかり、適切な術後管理が必要です。
有痛性外脛骨になりやすい人・予防の方法
有痛性外脛骨になりやすい人には、いくつかの共通の特徴があります。まず、解剖学的に過剰骨を持つ人は比較的リスクが高いです。これは先天的な要因によるものであり、防ぐことは困難です。また、扁平足の人も有痛性外脛骨を発症するリスクが高くなります。足のアーチが低いと歩行時やスポーツ時などで過剰骨に過度の負担がかかるためです。
さらに、ランニングやバスケットボールなど、足に大きな負担がかかるスポーツを頻繁に行う人や、長時間立ち仕事をする職業の人もリスクが高くなります。実際に、スポーツを盛んに行っている思春期の時期に発症しやすい傾向です。
予防法としては、まずは適切な靴選びが重要です。足のアーチをしっかりサポートし、クッション性の高い靴を選ぶことで、過剰骨への負担を軽減します。必要に応じて、オーダーメイドのインソールを使用することが効果的です。
また、ストレッチングと筋力トレーニングも大切な予防法です。特に、ふくらはぎの筋肉や足首周りの筋肉の柔軟性を保ち、強化することで、足全体のバランスを改善し、過剰骨への負担を軽減できます。
急激な運動量の増加を避け、特に、新しいスポーツを始める際や、トレーニング強度を上げる際には徐々に活動レベルを上げていくことが重要です。
関連する病気扁平足
後脛骨筋腱機能不全
捻挫
参考文献
有痛性外脛骨に対する新しい試み
日本臨床整形外科学会
配信: Medical DOC
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