「前頭側頭型認知症」の症状・なりやすい人の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

「前頭側頭型認知症」の症状・なりやすい人の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

前頭側頭型認知症の末期症状

前頭側頭型認知症も末期になると、その他の認知症と同じく記憶障害が目立つようになり、嚥下機能低下を含めた様々な機能低下がみられるようになります。

認知機能低下

前頭側頭型認知症では初期には認知機能低下はあまり認めませんが、進行するにしたがって近時記憶障害や即時記憶障害などの記憶障害が目立つようになります。

怒りっぽくなる、活動性が低下する

もともと欲求に準じた衝動的な行動がみられる病気ですが、脳萎縮の進行に伴っての運動機能の低下や判断力の低下などで思った行動ができなくなる、周囲に行動を制限されるなどを背景として、いろいろな訴えが出てきたり、怒りっぽくなったりします。
さらに進行すると、食事などの生きていく上での基本的な欲求にも無頓着となり、食事なども拒否して寝て過ごすようになります。

嚥下障害

前頭側頭型認知症では前頭葉・側頭葉を中心に経時的に脳萎縮が進行します。脳萎縮の進行により、様々な運動機能、高次機能の障害がみられますが、末期の認知症では嚥下障害が大きな問題となります。
本人の食事意欲の低下に加えて、飲み込む動作自体がうまくできなくなること、低栄養により嚥下筋も弱くなることから、誤嚥をしやすくなり、時に誤嚥性肺炎を発症して命にかかわることがあります。

前頭側頭型認知症の余命・生存率

前頭側頭型認知症の発症後の平均寿命は行動障害型では約6-9年、意味性認知症では約12年と報告されています。進行した認知症では嚥下障害や意欲低下を背景に誤嚥性肺炎や食事の拒否などによる低栄養などで亡くなることが多いです。

関連記事: