10月12日から放送がスタートした新ドラマ『放課後カルテ』(日本テレビ系、土曜よる9時~)には注目したくなる要素が多い。日生マユ作の同名漫画が原作の本作。小学校に赴任した小児科医・牧野峻(松下洸平)が主人公の、保健室を舞台にしたヒューマンドラマだ。
肩で風を切ってオラつく松下洸平の、斬新なギャップ
まず本作の一番の魅力は牧野役を務める松下洸平である。ここ最近、松下が出演した連続ドラマとして『いちばんすきな花』(フジテレビ系)や『9ボーダー』(TBS系)などが挙げられるが、いずれの役も基本的には穏やかな性格をしており、“優しいお兄さん”という印象が強い。
一方、牧野は優れた観察眼を持ち、医師としては優秀であるが、人の気持ちを読むことが苦手。なおかつ、不愛想な性格で、表情も常にムスッとしており、生徒たちからはどこか敬遠されている。上記のドラマで演じた登場人物とは正反対の性格をしており、だからこそ生まれるギャップが面白い。
1話冒頭から肩で風を切ってオラつきながら歩く松下の姿はとても斬新。また、口角が上がらずに口元は“への字”で常に不機嫌顔を浮かべる。
態度があまりにも悪い牧野ではあるが、松下が演じているからなのか、不快感を覚えることはなくむしろ微笑ましい。中でも、学校内で倒れて保健室に運ばれた女子生徒・野咲ゆき(増田梨沙)から、話を聞こうとするシーンは最高だった。
保健室でとつぜん始まった“裏声人形劇”
牧野は野咲から症状を聞き出そうとするが、野咲は普段から急に居眠りすることが珍しくない。そのことをクラスメイトから度々馬鹿にされたため、周囲への警戒心が高く一向に口を開かない。
しびれを切らした牧野は、保健室内にあるウサギのぬいぐるみを野咲の前に置き、「こいつになら喋れるか?」と聞く。続けて、牧野はぬいぐるみの左腕を動かしながら、裏声で「ゆきちゃん、話してよ」と語りかける。突如として人形劇が開演するが、野咲の心を開くことはできずに早々に閉演。
配信: 女子SPA!