「臼蓋形成不全」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「臼蓋形成不全」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

臼蓋形成不全の前兆や初期症状について

臼蓋形成不全の初期症状は、椅子から立ち上がったり歩き始めたりするときの股関節(足の付け根)の痛みや違和感です。

股関節をひねる動きや階段の昇り降り、あぐらの姿勢などにより軟骨がすり減って痛みの症状が現われます。

初期の段階では、痛みがでるのは動作開始時だけがほとんどです。

しかし、症状が悪化するにつれて痛みの症状も強くなり、夜間寝ているときにも痛みが現れたり、日常生活の動作に支障をきたしたりします。

臼蓋形成不全の検査・診断

臼蓋形成不全の診断では、主に以下のような検査が行われます。

レントゲン撮影

レントゲン撮影は体にX線を当てて写真を撮影する検査であり、臼蓋形成不全の診断では股関節のレントゲン写真を撮影します。

撮影したレントゲン写真から寛骨(骨盤の外側の骨)と大腿骨の骨頭の角度の計測を行うことで、臼蓋形成不全の程度を確認でき、変形性股関節症につながる可能性も推測できます。

超音波検査

超音波(エコー)検査は、超音波を使って体内の臓器の状態を観察する検査です。

超音波検査はX線を使うレントゲンやCTのように放射線を使わないため安全性が高く、乳児や小児の臼蓋形成不全の診断に用いられます。

乳児の検診で股関節脱臼が疑われた際の二次検診としても使用されています。

CT検査

CT検査は360°方向からX線を体に当てることによって、身体の輪切り画像を撮影する検査です。

関節の隙間を正確に評価できることに加え、臼蓋や大腿骨頭の病変や変形の把握に優れているため、変形性股関節症の症状が出ている場合に行われます。

MRI検査

MRI検査は磁気の力を利用して身体の断面を撮影する検査であり、骨や筋肉、関節の撮影に有効です。

股関節の炎症所見や関節液の状態、変形性股関節症の進行の程度を把握できるため、経過観察の評価や手術をはじめとした治療方針を決定するために行われます。

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