「がま腫」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「がま腫」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

がま腫の前兆や初期症状について

舌下型の初期症状は多くの場合、痛みを伴わない口底部の膨らみとして現れます。
舌の下に柔らかい腫れを感じ、徐々に大きくなっていきます。
初期段階では日常生活に大きな支障をきたすことは少ないため、気づかれずに経過することもあります。
顎下型の場合は、顎の下に目に見える膨らみが現れることがあります。

がま腫が進行して大きくなると、口腔内の違和感や舌の動きの制限、嚥下や発話の困難、口腔内の違和感などの症状が起こることがあります。
がま腫自体は痛みを伴いませんが、大きくなると周囲の組織を圧迫し、不快感や機能障害を引き起こす原因になります。

がま腫の検査・診断

がま腫の検査は視診で臨床所見を確かめた後に、必要に応じてCT検査やMRI検査、超音波検査などの画像診断をおこないます。
ほかの嚢胞性疾患と鑑別するために、穿刺吸引細胞診をおこなうこともあります。
舌下型は青みのある無痛性の腫瘤が口底部に確認できますが、顎下型は視診だけでは確認できないケースが多いです。がま腫の診断のために以下の検査がおこなわれる場合があります。

CT検査

CT検査はX線を利用した画像検査で、がま腫の範囲や位置を正確に把握するのに有効です。
短時間で撮影でき、即日実施が可能なため、迅速な診断に適しています。

MRI検査

MRI検査は磁気を利用した検査で、がま腫の貯留液の粘性や筋肉と骨の位置関係などもわかるため、がま腫の詳細な構造を把握するために用いられます。
舌下型と顎下型の区別や、ほかの嚢胞性疾患との鑑別がしやすくなります。

穿刺吸引細胞診

がま腫とほかの嚢胞性疾患との鑑別をおこなうために、穿刺吸引細胞診をおこなうこともあります。
注射器でがま腫の貯留液を吸引すると、粘性がある黄色い貯留液が見られます。

病理組織学検査

手術により摘出したがま腫を顕微鏡で観察することで、最終的な確定診断をおこないます。

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