結節性痒疹の前兆や初期症状について
結節性痒疹の初期症状は、多くの場合、持続的で激しい痒みから始まります。この痒みは通常、特定の部位に限局し、徐々に強くなっていきます。患者は無意識のうちに掻破を繰り返すようになり、これが皮膚の損傷と炎症を引き起こします。
初期の段階では、皮膚に明確な結節は形成されていませんが、掻破部位が赤くなったり、わずかに隆起したりすることがあります。掻破を繰り返すことにより皮膚が肥厚し、徐々に特徴的な結節が形成されていきます。これらの結節は最初は小さく、数も少ないですが、徐々に大きくなり、数も増えていきます。
また、結節周囲の皮膚が乾燥し、ざらついた感じになることもあります。人によっては、結節が形成される前に、特定の部位に限局した持続的な痒みや皮膚の過敏性を感じることがあります。
結節性痒疹の検査・診断
結節性痒疹の診断は、外見的特徴と組織学的所見、関連する全身状態を総合的に評価することで確定されます。典型的な外観として、硬い結節が対称性に分布し、掻破痕や痂皮形成を伴うことが挙げられますが、類似した症状を呈する他の皮膚疾患との鑑別が重要です。そのため皮膚生検を実施し、表皮の肥厚、真皮上層の線維化、炎症細胞の浸潤などの特徴的な組織学的変化がないか観察します。これらの所見は、結節性痒疹の診断を裏付ける重要な証拠となります。
血液検査も診断プロセスにおいて重要な役割を果たします。特に、好酸球数やIgE値の測定は、アレルギー反応や他の疾患の有無を確認する上で欠かせません。結節性痒疹では、これらの値がわずかに上昇することが多いですが、アトピー性皮膚炎の痒疹型などではIgEが著しく上昇するため、鑑別診断の一助となります。
また、慢性掻痒の原因となり得る甲状腺機能異常、腎機能障害、肝機能障害などのスクリーニングも重要です。これらの検査結果は、結節性痒疹の診断だけでなく、治療方針の決定にも影響を与えます。
症状が重度であったり、広範囲に及ぶ場合は、内分泌疾患、腎機能疾患、血液疾患、悪性腫瘍などの疾患が原因で起きている可能性も考慮する必要があります。
配信: Medical DOC