「結節性痒疹」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「結節性痒疹」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

結節性痒疹の治療

結節性痒疹の治療では、症状の軽減と再発防止を目的として、複数のアプローチが組み合わされます。治療の第一選択としてステロイド外用薬が使用され、炎症を抑制して痒みを軽減させます。ステロイドは内服薬もありますが、長期間の服用は副作用のリスクがあるため推奨されていません。

全身療法としては、抗ヒスタミン薬が痒みの軽減に効果的です。抗ヒスタミン薬は肥満細胞から遊離する伝達物質のヒスタミンの作用を抑え、アレルギー症状を軽減する薬です。抗ヒスタミン薬には第一世代と第二世代があり、第二世代の抗ヒスタミン薬は眠気の副作用などが少なく、主流になっています。

上記の治療でも症状が改善しない場合、紫外線療法が用いられることがあります。紫外線療法は、紫外線の免疫抑制効果を利用して、皮膚の症状を抑える光線療法です。紫外線療法の中にも種類があり、特にUVA1という治療が結節性痒疹に効果的です。

結節性痒疹になりやすい人・予防の方法

結節性痒疹になりやすい人としては、アトピー素因を持つ人や、慢性的な皮膚疾患、糖尿病や腎不全などの基礎疾患の既往がある人が挙げられます。特に、アトピー性皮膚炎や慢性蕁麻疹、乾癬などの疾患を持つ人は、結節性痒疹の発症リスクが高いです。虫に刺されたことがきっかけで結節性痒疹を引き起こすこともあるため、症状がでた場合はできるだけ早く皮膚科で診察を受けましょう。

予防方法としては、皮膚の保湿を十分に行うことが大切です。乾燥した皮膚は痒みを感じやすく、掻破行動を誘発しやすいため、保湿剤を定期的に使用することで皮膚のバリア機能を維持します。掻破行動を避けることも大切で、爪を短く切ったり、痒みを感じたときに冷たいタオルを当てたりして、掻破による皮膚刺激を加えないことが有効です。

皮膚への刺激が少ないゆったりした服の着用や、刺激の強い石鹸や洗剤の使用を避け、肌に優しい製品を選ぶことも大切です。疑わしい症状が見られたらできるだけ早く皮膚科を受診することで、早期発見・早期治療につなげられ、結節性痒疹の発症や進行を防げます。

関連する病気アトピー性皮膚炎糖尿病腎不全

肝障害

参考文献

痒疹診療ガイドライン 2020

難治性皮膚疾患への新たな光線療法の応用

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