●親の不倫による子どもへの影響は計り知れない
「そもそも一夫一婦制というのは生理学的にも難しいと個人的には感じますが、日本で暮らしている以上、不倫は法的には問題であり、配偶者を悲しませることです。子どものスポーツ活動においての不倫は、さらに多大なリスクと代償を抱えることになります。特に、子どもが受ける影響は計り知れません」(藤嶋さん 以下同)
万が一不倫関係が表沙汰になった場合、当然、自身の家庭が崩壊する恐れがある。離婚に至った場合は生活が大きく変わるだけではなく、夫や両親、そして子どもの心を深く傷つけることにもなるのだ。
また、子どものスポーツ活動の関係者が相手となると、チームを辞めざるを得なくなったり、子ども同士のいじめにつながったりと、悪影響を及ぼすリスクが高い。
「私の知人の話ですが、コーチとのW不倫の末、双方が離婚しコーチと再婚したものの、子どもは『コーチのせいでパパがいなくなった』と傷ついて落ち込み、大好きだったスポーツもそれっきりやめてしまったそうです。軽い気持ちで始めた不倫が、子どもの人生をすっかり変えてしまうこともあるのです」
●不倫を「バレていない」と思っているのは当人だけ?
「不倫していてもバレなければ大丈夫」と思っていても、特に女性は態度に出やすく、ママ友たちの「女のカン」が働くことも。うまく隠しているつもりでも、知らず知らずのうちに言動が不自然だったり、外で会っているところを見られたりと、周囲にバレてしまうリスクは高い。
そうなると噂が広まるのはあっという間。
「子どもはとても敏感なので、ママに異性として目を向けている男性は感覚でわかることがよくあります。『子どもだからわからない』と甘く見ていると、子どもから不信感をもたれ、親子関係に修復できない亀裂が入ることも十分考えられますよ」
●不倫を実際に見聞きしてしまったら?
自身が当事者ではないのに、ママ友からコーチとの不倫を打ち明けられた場合はどう対応するのがベストなのか。
「もしもアリバイ作りや、不倫のために子どもを預かってほしいと頼まれた場合、『協力はできない』ときっぱり断る勇気を持ちましょう。共犯関係になってしまうと、もしも不倫が公になったときに子どもがいじめに巻き込まれる可能性もあります。『NO』といえる人になってください」
例えば、「夫がダメだといっている」などでもよい。毅然とした態度で接することが大切だ。
そしてママ友などに不倫を打ち明けられても、否定したり、たしなめたりする必要もない。余計なことはいわずに、そっと距離を置くのがベスト。ヘタに首を突っ込むと、巻き込まれてしまうため、自分の胸にしまっておくほうが無難だ。
まれにだが、子どもが大人の話を聞きかじって親にたずねてくるケースも考えられる。
「もしも子どもが『コーチと○○ちゃんのママは付き合ってるの?』と聞いてきたら、好奇心に負けそうになっても深く掘り下げず、『へえ、そうなの?』などと興味なさそうに流してあげれば、そのうち忘れてしまうと思いますよ」
このスポーツ活動での不倫は、夫婦だけではなく、子どもの人生も狂わせるハイリスクな行為。一時の感情で突っ走る前に、立ち止まって結末を考えてみる必要があるだろう。
(北東由宇+ノオト)