膠芽腫の前兆や初期症状について
膠芽腫は急速に腫瘍が大きくなる特徴があることから、腫瘍が見つかったときにはすでに重い神経症状が認められることが多いです。神経症状によって運動や感覚、思考、言語などのさまざまな機能が障害されます。
膠芽腫などの脳腫瘍では、頭痛や吐き気、手足の麻痺、歩行障害、しびれ、ふらつきなどの症状がはじめにみられることが多いです。膠芽腫は腫瘍が増大するスピードが速いため、早い場合は週単位で症状が悪化していくこともあります。
急に頭痛を感じるようになった場合や、今までとは異なる強い頭痛を感じるようになった場合、しびれや麻痺などを伴う頭痛がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。膠芽腫は初期症状をできるだけ早く発見し、治療につなげることが重要です。
膠芽腫の検査・診断
膠芽腫では主に以下のような検査により診断がおこなわれます。
神経学的検査
神経学的検査は運動機能や感覚機能、認知機能、言語機能など、脳の損傷に起因するような異常が生じていないか調べる検査です。意識状態の確認、けいれん、記憶障害、失語などの有無、視野や眼球運動、筋肉の運動、刺激に対する感覚の有無、起立や歩行などについてくわしい検査を行います。
CT検査、MRI検査
CT検査やMRI検査で頭部の画像検査を行い、腫瘍の位置や大きさ、血管との関係を確認します。CT検査はX線による検査で、MRI検査と比べて迅速にできるため、脳梗塞や脳出血などの緊急性の高い病気の可能性を除外するのにも有用です。MRI検査は磁気を使用した検査で、CT検査よりもくわしく脳の状態を確認できます。必要に応じて、造影剤を使用したCT血管撮影やMRI検査を行うこともあります。
画像検査により脳腫瘍の種類をある程度判断できる場合もありますが、脳腫瘍の分類は多岐にわたるため、脳腫瘍の種類を確定診断するためには、手術により摘出された腫瘍組織を病理検査で確認する必要があります。
病理検査
手術により摘出された腫瘍組織を顕微鏡で観察し、遺伝子の変異をくわしく調べる検査(遺伝子検査)などを行います。病理検査により、脳腫瘍の種類や悪性度を確定することが可能です。
配信: Medical DOC