「肺がんを疑う痰の色」は何色かご存知ですか?初期症状も医師が解説!

「肺がんを疑う痰の色」は何色かご存知ですか?初期症状も医師が解説!

痰がからむようになった・血痰が出たらどんな病気が考えられる?

血痰が出る場合に、どのような病気が考えられるのかについて解説します。

肺がん

血痰は、肺がんの初期症状である可能性があります。
肺がんは、気管支や肺胞といった肺の細胞から生じた悪性腫瘍です。
大きく分けると、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんの4種類があります。
発症の原因は、喫煙やアスベストなどの有害物質への曝露(ばくろ;さらされること)、遺伝子的な要因などがあります。
治療法は、がんの進行度合いやリンパ節・他の臓器への転移の有無、さらに患者ごとの体力や持病などによって決定されます。早期の段階では手術もしくは放射線治療が選択されます。進行した段階では、手術もしくは化学療法と放射線治療を組み合わせた化学放射線治療を行います。他の臓器へ転移がみられる場合には、免疫チェックポイント阻害薬や抗がん剤、分子標的薬などを用いた薬物療法を行います。骨転移などによって痛みなどの症状がある場合には、症状を和らげるために放射線治療が行われることもあります。
血痰や長引く咳・痰、胸の痛み、発熱などが続く場合には、呼吸器内科を受診するようにしましょう。

急性気管支炎・肺炎

急性気管支炎や肺炎といった感染症も、痰がからむ原因となります。
細菌やウイルスなどによる、強い炎症が気管支や肺に起こっている状態です。
治療法は、炎症を起こしている病原菌に合わせて抗菌薬の投与を点滴あるいは内服で投与します。黄色や緑色の痰や咳、発熱が見られる場合には、肺や気管支に強い炎症が起こっている可能性があります。呼吸器内科を早めに受診しましょう。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)は、以前は慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていた病気をまとめたものです。タバコをはじめとする有害物質を長い間吸入することによる肺の炎症性疾患です。肺の生活習慣病とも言えます。
体を動かす時の息切れ・呼吸困難感や、慢性的な咳や痰が特徴的な症状です。喘息のような症状を示す人もいます。治療法としては、喫煙者の場合には禁煙が第一となります。さらに、気管支拡張薬などの薬物療法で症状を和らげます。
タバコを長期間吸っており、息切れや痰・咳などの症状がある方は、呼吸器内科を受診するようにしましょう。

肺がんの前兆となる初期症状

肺がん早期は症状がなく、進行して症状が現れることがあります。ここでは、肺がんの初期に出現する可能性がある症状を紹介します。

血痰

血痰は、痰に血が混ざる状態です。血痰が出る場合は、肺や気管支で出血が起きている可能性があり、肺がんを含む重篤な病気が疑われます。少量の血液であっても無視せずに、早急な受診が推奨されます。
血痰が出た場合、原因が不明であれば、自己判断せずに直ちに医師の診断を受けることが重要です。特に喫煙者や肺の病気を過去に患った人は注意が必要です。
血痰が出た場合、呼吸器内科を受診しましょう。検査には、胸部X線やCTスキャン、気管支鏡検査が用いられます。

長引く咳

風邪やインフルエンザが原因でないのに、咳が2週間以上続く場合は、肺がんの初期症状としての可能性があります。特に痰が絡む咳や、夜間や朝方に咳がひどくなる場合は注意が必要です。咳が続く場合は、まず鎮咳薬などを使って咳を和らげることができますが、根本的な原因を突き止めるためには医師の診察が不可欠です。
呼吸器内科を受診しましょう。原因を調べるために胸部X線や痰の検査が行われます。

胸の痛み

肺がんでは胸や背中に痛みを感じることもあります。痛みは呼吸や咳をする際に悪化することがあり、他の原因による痛みとは異なることが多いです。
胸の痛みがある場合、急いで医師の診察を受ける必要があります。鎮痛薬で一時的に痛みを和らげることができますが、原因を究明するための診察が重要です。
胸部に痛みがある場合、呼吸器内科や内科を受診しましょう。

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