「膠原病」になりやすい人の特徴をご存知ですか? 原因・症状を医師が解説

「膠原病」になりやすい人の特徴をご存知ですか? 原因・症状を医師が解説

膠原病の前兆や初期症状について

どの膠原病にかかるかによって症状は様々ではありますが、一般的な症状に発熱や関節痛、筋肉の痛み、皮疹があります (参考文献 1)。
しかしながらこれらの症状は、膠原病だけではなく、いわゆる「風邪」を含む多くの疾患で見られる症状でもあり、膠原病の初期段階での診断を難しくしている原因の1つです。
膠原病を疑い診断する際に「どのような症状の経過をたどっているか」という情報が重要になってきます。例えば関節の痛みであれば、次のようなポイントを事前に紙に書き起こして、診察を受ける際に医師に見せると良いかもしれません (参考文献 2) 。

「どこ」の関節が痛むのか
関節痛の原因によっては、症状が出やすい関節が知られている場合があります
「どのような」痛みか
長く続く鈍い痛みなのか、一瞬のズキっとした痛みなのか、言葉で表現してみてください
「どのくらい」痛むのか
よく医師が痛みの程度を聞く方法として「10を想像できる限りの痛みとして、1~10でどのくらいの痛みか」というものがあります
関節痛の「きっかけ」はありましたか?
足をひねってから、転んでからなど、関節痛を抱えるきっかけとなるようなことで思い当たることはありますか?
「何をするとき」に痛くなるのか、または楽になるのか
髪をとかすときに痛い、立ち上がるときに痛い、タオルを絞るときに痛いなど、痛くなるきっかけのようなものがあれば教えてください
お風呂に入ったら楽、座って休んだら楽になるなど、痛みを楽にするようなことがあれば、それも教えてください
痛みは「いつから」「良くなったり悪くなったり」していますか?
いつから関節痛があるのか、だんだんと痛くなってるのか、良くなったり悪くなったりなど症状に波があったのかを教えてください
「朝が一番きつい」など、一日の間でも波がある場合も教えてください
関節痛以外に「他の症状」はありますか?
発熱や皮疹、息苦しさなど、一見関節痛とは関係ないと思えるような症状でも、診断に結びつくことがあります

最初から「膠原病かな?」自分で疑うことは難しいと思いますので、お近くの内科・整形外科・皮膚科などを受診することが多いかと思います。これらの科で膠原病の診断がつけばそのまま治療が始まることもありますし、場合によっては膠原病を専門に扱う「膠原病内科」へ紹介されることもあります。

膠原病の検査・診断

問診や身体診察などで膠原病の可能性があると判断された場合には、膠原病を診断するために特定のマーカーや自己抗体の検査を行うことがおおいです。
関節痛リウマチ診断におけるリウマチ因子や抗 CCP 抗体、全身性エリテマトーデス (SLE) の 抗 ds-DNA 抗体 などが有名です。
必ずしもこれらの検査結果が陽性となるわけではなく、診断に有用な自己抗体が解明されていないタイプの膠原病もありますので、各種検査の結果や症状から総合的に判断して診断をします。

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