膠原病の治療
膠原病の治療では一般的に免疫機能を調節する薬剤が使用されます (参考文献 1)。ステロイド内服や一次的にステロイドを多量に摂取するステロイドパルス療法、シクロホスファミドやタクロリムスなどの免疫抑制剤、関節リウマチに対するインフリキシマブに代表される生物学的製剤などを組み合わせて治療していきます。
膠原病の種類によっては血栓ができやすくなるものがあるので、血栓ができにくくなる薬剤を用いて脳梗塞などのリスクをコントロールすることもあります (参考文献 1)。
膠原病では様々な臓器がダメージを受けることがあり、その代表例が肺です。間質性肺炎や肺高血圧症を併発する場合があり、これらの症状も初めは薬剤やリハビリでコントロールを試みますが、場合によっては肺移植の適応になることもあります。
膠原病になりやすい人・予防の方法
膠原病は明らかになっていないことが多い領域でもあり、含まれる疾患が多いので一概には言えませんが、性別や年齢、遺伝要因や生活習慣、特定の環境要因がリスクになる場合があります。
例として、代表的な膠原病である関節リウマチに関して説明します。
関節リウマチは一般的に40~60歳の女性に発症しやすい病気とされているほか (参考文献 3)、血縁者に関節リウマチの患者がいる場合や、特定の遺伝子を持っている方では発症リスクが高いことも知られています (参考文献 4)。
また喫煙はそれだけでも関節リウマチの発症につながることが示唆されているほか、遺伝要因と組み合わさった場合に関節リウマチ発症の危険性が跳ね上がることが知られています (参考文献 4) 。
疾患によってリスク要因は様々で、生物学的な性別や遺伝子は変えようがありませんが、タバコの他にも紫外線が発症リスクとなる膠原病もあるため、禁煙や日焼け止めを塗るなど、生活習慣を見直すことが発症リスクの低減につながるかもしれません (参考文献 1) 。
参考文献
一般社団法人 日本リウマチ学会. 一般の皆様 リウマチ膠原病を心配したら
一般社団法人 日本リウマチ学会. 一般の皆様 関節リウマチ (RA)
井次男ら. 内科診断学 第3版. 医学書院. 2020. 35-39項
UpToDate. Epidemiology of, risk factors for, and possible causes of rheumatoid arthritis
配信: Medical DOC