【疑問】痔があっても大腸カメラは受けられるのか? 内視鏡専門医に聞いてみた

【疑問】痔があっても大腸カメラは受けられるのか? 内視鏡専門医に聞いてみた

「痔があると大腸カメラ検査は受けられないのでは?」と心配する方も多いかもしれません。しかし実際には、痔による出血なのか、腸からの出血なのかを判断するためにも、大腸カメラの検査が必要なようです。そこで、痔がある方でも安心して大腸カメラを受けられるように、大腸カメラの基本情報や検査を受ける際に知っておくべきポイントについて、消化器内視鏡専門医の行徳(ぎょうとく)先生に教えてもらいました。

監修医師:
行徳 芳則(ぎょうとく内科・内視鏡クリニック)

獨協医科大学医学部卒業。その後、獨協医科大学埼玉医療センター、東埼玉総合病院、春日部厚生病院などで経験を積む。2024年、東京都台東区の「ぎょうとく内科・内視鏡クリニック」の院長に就任。医学博士。日本内科学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医ほか。

大腸カメラの基本を知る

編集部

大腸カメラとはどのような検査なのでしょうか?

行徳先生

肛門からカメラを入れて、盲腸から直腸までの全結腸を見ていく検査になります。

編集部

どのような人が大腸カメラを受けた方がいいのですか?

行徳先生

腹痛があったり、便が細かったり、血が混じったり、下痢や便秘などの症状があったりする方には受けていただきたいです。また、40歳以上の方であれば、症状がなくても一度は検査をしておくと良いと思います。

編集部

大腸カメラではどのような病気を見つけることができますか?

行徳先生

大腸がんの確認、それ以外にもポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患の確認ができます。また、大腸カメラの画像上で「何もない」とわかることも、診断の助けになることがあるので、やはり直接見ることで得られる情報は重要です。

痔があっても大腸カメラは受けられる?

編集部

大腸カメラは痔があっても受けられますか?

行徳先生

痔の出血については、本当に痔による出血なのか、または腸からの出血なのかがわからないので、むしろ積極的に検査をするべきだと言えます。色が黒いようなら胃酸の影響を受けているので上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)、鮮やかな赤色であれば大腸や肛門の検査が必要になります。

編集部

ひどい痔でも大丈夫なのですか?

行徳先生

痔がひどすぎて検査ができないということは、あまりないと思います。ただし、痔の手術後に肛門が狭くなることがあるので、それで肛門にカメラが入れづらいという方はいらっしゃいます。

編集部

大腸カメラは「つらい」イメージですが、痔があるとつらさは増しますか?

行徳先生

基本的に肛門に麻酔のゼリーを塗りますし、点滴の麻酔を使う場合もあるので、苦痛を減らすことはできますし、それを心配して検査をやめるよりも、検査して得られるメリットの方が大きいと思います。

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