「霜降」は二十四節気の一つ
10月23日(水)は「二十四節気(にじゅうしせっき)」の「霜降(そうこう)」です。カレンダーで見かけたことがある人もいるかもしれませんが、意味を理解している人は少ないかもしれません。そこで今回は、「霜降」の意味とこの時期に霜が降りやすくなる理由を紹介します。
昔から使われている暦に「二十四節気」があります。これは1年を24等分し、それぞれにその季節を意味する言葉を付けたもの。古代中国で季節の移り変わりを的確に把握し、農業を効率的に行うために考えられたものだとされています。
2024年の「霜降」は10月23日ですが、日程は固定されていないため毎年一日、二日程度前後します。期間としては、10月23日から次の「立冬(りっとう)」に入る11月6日(木)までです。
「霜降」には本当に霜が降りるの?
「霜降」には本当に霜が降りるの?
「霜降」には文字どおり、「霜が降り始める頃」という意味があります。平野で霜が降りるのは12月初旬ごろですが、北海道や東北地方などの寒い地域や山間部では「霜降」の頃から霜が降りるようになります。
霜は、空気中の水蒸気が夜の間に冷えた地面や草木の葉などに触れ、表面で結晶化してできるもの。一般的に、晴天、風が弱い、気温3〜4℃という気象条件によってできやすくなります。
風のない晴れた日に霜が降りやすいのは、物が熱を放出して冷える「放射冷却」のためです。夜になると太陽光が当たらなくなり草木や地面が冷え、その周りの空気も冷えます。地面近く空気が冷えても、風があると周りの空気と混じって冷え方が弱くなりますが、風が弱い場合は周りの空気と混じりにくいため、気温が低下しやすくなるのです。また、雲があると布団のような役割をして地面から放出された熱を跳ね返すので気温が下がりにくいのですが、晴天の日は熱が上空へと放出されるため気温が低下しやすくなります。このように、気温が下がる条件が重なることで霜が降りやすくなるのです。
0℃以下になると水が氷になるように、0℃以下で空気中の水蒸気も凍って霜となります。なぜ霜が降りやすい条件の気温は3〜4℃なのか? その理由は、気温は地面から1.5mの高さで観測されているため。気温が3〜4℃でも、放射冷却によって冷やされた地面は0℃になっており、霜ができる条件を満たしているからと言えます。
雨が降るたびに寒さが増す「霜降」の時期
配信: LASISA