「ウィリアムズ症候群」を発症すると起こる初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「ウィリアムズ症候群」を発症すると起こる初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

ウィリアムズ症候群の前兆や初期症状について

ウィリアムズ症候群は出生直後から特定の症状が現れることが多いですが、症状の現れ方は個人によって異なります。以下に、主な前兆や初期症状を紹介します。

1. 身体的特徴

ウィリアムズ症候群の子供は、特徴的な顔つきを持つことが多いです。この顔つきは「妖精様顔貌」とも呼ばれ、以下のような特徴が見られます。

幅広い額

短い鼻と鼻の先端の広がり

大きな口と厚い唇

小さな顎

ほうれい線が目立つ

これらの特徴は、成長とともに顕著になりますが、すべての患者に見られるわけではありません。

2. 心血管疾患

心血管系の異常は、ウィリアムズ症候群における最も重要な問題の一つです。特に、大動脈狭窄症や抹消肺動脈狭窄が一般的で、これにより心臓に負担がかかります。これらの症状は乳幼児期に診断されることが多く、治療が必要になる場合があります。また、高血圧や僧帽弁逸脱も多く見られます。

3. 発達遅滞と知的障害

ウィリアムズ症候群の子供は、全般的な発達遅滞が見られることが多く、言語や運動機能の発達が遅れる傾向にあります。知的障害の程度は軽度から中等度までさまざまで、学習能力や記憶力にも影響を与えることがあります。
しかし、言語能力やコミュニケーション能力に関しては比較的発達が早い場合もあり、明るく社交的な性格が特徴的です。

4. 感覚過敏

ウィリアムズ症候群の子供は、音や光に対して過敏な反応を示すことが多くあります。特に、聴覚過敏がよく見られ、大きな音や予期しない音に対して強い不安や驚きを感じることがあります。一方で、音楽に対して非常に興味を示し、音楽を通じたコミュニケーションが得意なことも特徴です。

ウィリアムズ症候群の検査・診断

ウィリアムズ症候群の診断は、臨床的な特徴を基に行われますが、確定診断のためには遺伝子検査が必要です。早期診断は、適切な治療と支援を提供するために重要です。

1. 身体的な検査

ウィリアムズ症候群の典型的な身体的特徴(妖精様顔貌や心血管異常)から診断が疑われることがあります。特に、心血管系の異常が見られる場合、心エコーや心電図検査が行われ、心臓や血管の状態が評価されます。

2. 遺伝子検査

ウィリアムズ症候群の確定診断には、FISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)法を用いて、7番染色体の欠失を確認する遺伝子検査が行われます。これにより、染色体の異常が特定され、確定的な診断が可能です。

3. 発達評価

発達の遅れや知的障害を評価するために、心理学的なテストや発達評価が行われます。これにより、個々の子供の強みや課題が明確になり、早期介入や支援の計画を立てることができます。

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