「猩紅熱」の初期症状はご存知ですか? 原因・なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

「猩紅熱」の初期症状はご存知ですか? 原因・なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

監修医師:
山田 克彦(佐世保中央病院)

大分医科大学(現・大分大学)医学部卒業。現在は「佐世保中央病院」勤務。専門は小児科一般、小児循環器、小児肥満、小児内分泌、動機づけ面接。日本小児科学会専門医・指導医、日本循環器学会専門医。

猩紅熱の概要

猩紅熱(しょうこうねつ)は、A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)によって引き起こされる全身性の細菌感染症です。数日の潜伏期間を経たのち、急な咽頭痛と発熱、皮膚の発疹、苺のようにぶつぶつと舌が腫れることなどが猩紅熱の特徴的な症状です。発疹は首や腋窩、鼠径部からはじまり、全身へと広がります。発疹は5〜6日で消失しはじめ、その後、皮膚の膜様落屑(まくようらくせつ)が全身に広がります。

猩紅熱は抗生物質の治療により改善されますが、合併症としてリウマチ熱や急性糸球体腎炎を引き起こす可能性もあり、適切な治療と経過観察が重要です。

猩紅熱は5〜10歳の幼児から学童期の小児に多いとされており、比較的強い感染力で飛沫感染や接触感染により感染します。冬の時期と春から初夏にかけた時期の流行のピークが報告されています。

猩紅熱の原因

猩紅熱の原因は、A群溶血性レンサ球菌という細菌です。A群溶血性レンサ球菌は、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)という菌種名で呼ばれており、この菌の産生する発熱毒素(発赤毒素)によって猩紅熱が発症します。

感染者の咳やくしゃみに含まれた細菌を吸い込むことによる飛沫感染や、細菌が付いた手で口や鼻に触れることによる接触感染により感染します。

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