猩紅熱の前兆や初期症状について
2〜5日の潜伏期間を経た後の突然の高熱や、咽頭炎や扁桃炎によるのどの痛みが初期症状となることが一般的です。乳幼児では咽頭炎、年長児や成人では扁桃炎が生じることが多いとされています。嘔吐を伴うこともあり、上あごの奥への赤い発疹や、舌がいちごのようにブツブツと腫れる(苺舌)症状がみられます。
発熱開始後12〜24時間で、首や脇の下、足のつけ根などから赤い点状の発疹がみられはじめ、全身へと広がります。発疹は紙やすりのような手触りをしています。顔面への発疹はなく、額や頬が赤く紅潮し、口の周囲のみが蒼白にみえることが(口囲蒼白)が特徴的です。全身に広がった発疹は5〜6日で消失しはじめ、1週目の終わりごろから顔面の皮膚がむけて剝がれ落ちる(膜様落屑)ようになり、3週目までに全身に広がります。
リウマチ熱や急性糸球体腎炎を合併することもあるため、これらの疾患を予防するためにも早期診断と適切な治療が重要です。
猩紅熱の検査・診断
猩紅熱の症状である咽頭痛と発熱などは、風邪やほかの感染症でもみられる症状であるため他の病気との鑑別が必要です。特徴的な症状や臨床所見により猩紅熱が疑われる場合は、猩紅熱の原因となっている病原体や抗原の検出、抗体検査を実施することで確定診断が行われます。
迅速診断キット
多くの医療機関では、迅速診断キットを用いてのどの粘膜から採取した検体を調べて診断する方法が用いられています。迅速診断キットは特異度と感度が高く、数分で結果が出るため、早期診断に有用です。
細菌培養検査
のどの粘膜から採取した検体を培養し、溶連菌を分離する検査です。迅速診断キットと比較すると培養に時間がかかりますが、感染している溶連菌の種類について確認することができます。
血液検査
血液検査により、血液中の病原体に対する抗体(抗streptolysin‐O 抗体(ASO)、抗streptokinase 抗体(ASK)など)を確認します。猩紅熱が起きている場合はこれらの抗体が基準値より高くなります。
配信: Medical DOC