「猩紅熱」の初期症状はご存知ですか? 原因・なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

「猩紅熱」の初期症状はご存知ですか? 原因・なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

猩紅熱の治療

猩紅熱の治療にはペニシリン系の抗生物質を使用することが一般的で、通常10日以上の服用が必要になります。セフェム系の抗生物質を使用することや、ペニシリンアレルギーのある方にはエリスロマイシン、クラリスロマイシンなどを使用することもあります。

適切な抗生物質の治療が行われれば、治療開始後24時間以内に感染力はほぼなくなるとされています。自己判断で抗生物質を中止すると、再発や薬剤耐性菌の発生するリスクを高めることがあるため、症状が治まっても医師の指示を守って必ず最後まで服用するようにしてください。

猩紅熱の合併症として、感染後ある程度時間が経ってから、まれにリウマチ熱や急性糸球体腎炎が引き起こされることがあります。これらの合併症は治療が不十分の場合に発症リスクが高まるため、適切に抗生物質を使用し、注意深く経過を観察しましょう。

猩紅熱になりやすい人・予防の方法

猩紅熱は5〜10歳の幼児から学童期の小児に多いとされていますが、A群溶血性レンサ球菌が産生する発熱毒素(発赤毒素)に対して免疫のない大人も発症します。潜伏期間での感染性については明らかになっていませんが、A群溶血性レンサ球菌の感染力は比較的強く、飛沫感染や接触感染により感染します。人との接触機会が増加するときに感染しやすく、家庭や学校、保育施設での集団感染も多いです。

予防には、マスクの着用により感染者の咳やくしゃみなどの飛沫を避けること、手洗いうがいの徹底など基本的な感染予防対策が有効です。

猩紅熱の原因菌であるA群溶血性レンサ球菌による咽頭炎は「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」として5類感染症の疾患で位置付けられています。医療機関から毎週患者数が報告されるため、流行時には人混みなどの密集した場所を避けることも重要です。

関連する病気咽頭炎扁桃炎

リウマチ熱

糸球体腎炎

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)

川崎病

中耳炎肺炎

化膿性関節炎

骨髄炎髄膜炎敗血症

参考文献

国立感染症研究所感染症疫学センター A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは

公益社団法人 日本皮膚科学会 Q18猩紅熱(しょうこうねつ)はどのような症状ですか?

日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会 「学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説」

日本細菌学会 化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)

厚生労働省 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

厚生労働省 感染症法に基づく医師の届出のお願い

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