胆嚢炎の治療
治療法は絶食や点滴、抗菌薬投与といった保存的治療と、胆嚢を切除する手術に大きく分かれます。胆嚢炎は合併症や重症化のリスクを低減するために、可能であれば早期に手術をすることが推奨されます (参考文献 2, 4, 5) 。
手術と聞くとお腹を大きく切り開くものをイメージされる方もいるかと思いますが、現在主に行われている腹腔鏡を用いた手術では、お腹に小さな穴を数か所開けて、そこから先に手術器具のついた長い棒をいれて操作することで手術を行うため、開腹手術に比べれば身体的負担は少ないです。
しかしながら、手術前の画像評価や腹腔鏡手術中の外科医によって「腹腔鏡での安全な手術遂行が難しい」と判断されれば、開腹手術が選択されたり、腹腔鏡手術中でも開腹手術に切り替えるといった場合もあります (参考文献 2)。
胆嚢炎になりやすい人・予防の方法
胆嚢炎発症のリスクは次の5つとされていて、英語の頭文字をとって 5F と呼ばれています (参考文献 2)。
40歳代 (forty)
女性 (female)
肥満 (fatty)
白人 (fair)
多産 (fertile)
この5つのなかだと、肥満は生活習慣の改善などでコントロール可能といえるでしょう。肥満の人は胆嚢炎だけでなく、主な原因である胆石症の発症率が高いことが示唆されています (参考文献 2) 。
また、多産は急性胆嚢炎のリスクとされていますが、これは女性ホルモンが高い状態が胆石の形成につながるのではないかといわれています (参考文献 2)。
参考文献
一般社団法人 日本肝胆膵外科学会. 急性胆嚢炎と急性胆管炎
急性胆管炎. 胆嚢炎診療ガイドライン改訂出版委員会. -TG18 新基準掲載- 急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン 2018.第3版. 2018. 医学図書出版株式会社
UpToDate. Overview of gallstone disease in adults
UpToDate. Acute calculous cholecystitis: Clinical features and diagnosis
UpToDate. Treatment of acute calculous cholecystitis
配信: Medical DOC
関連記事: