東京都と神奈川県では医療費助成に差がある
ひと口に子ども向けの医療費助成といっても、内容はさまざま。たとえば以下のようなケースがあります。
「市区町村によって異なるので一概にはいえませんが、東京都の場合は、中学生まで病院窓口での自己負担が無料になることが多いです。一方で、神奈川県横浜市の場合は、小学校まで自己負担が無料になるといった違いがあります」(片桐さん、以下同)
前述の地域の医療費助成を比較してみると…
【東京都港区の場合】
中学生まで通院および入院にかかる医療費の自己負担分を助成。ただし、保険適用とならない健康診断や予防接種などは、対象外となります。
【神奈川県横浜市の場合】
0歳~小学3年生まで通院および入院にかかる医療費の自己負担分を助成。小学4~6年生まで通院1回につき500円までの自己負担あり。入院は全額助成。中学生については、医療費の3割を自己負担することになります。
上記についてはわかりやすくするために、所得制限や処方せんの取り扱いなどの詳細は割愛しています。とはいえ、これだけを見ても両者の違いは一目瞭然。どちらが良い・悪いというものではありませんが、住む地域によって医療費助成に差があるとは。調べる価値がありそうです。
入園料や保育料に関する違いは?
子育てをするうえで欠かすことのできない保育園や幼稚園ですが、これらに対する助成の違いはどうなっているのでしょうか?
「例を挙げると、東京都中央区の場合、認証保育所に預けた際に、認可保育園と認証保育所の保育料の差額を基準として、保育料の一部を助成します。たとえば月額の差額が1万円以上2万円未満なら、1万円が補助金額となります(差額5万円以上は補助額5万円まで)。一方で江戸川区の認証保育所の保育料の補助額は、区市町村民税所得割額に応じて変動して、区市町村民税所得割額が5万5500円未満なら補助月額は2万5000円です」
片桐さんによると、私立幼稚園の入園料や保育料についても補助金が用意されているといいます。
「私立幼稚園の入園料補助について、上限額が荒川区は7万円、新宿区は8万円、世田谷区は9万円といったように、各自治体により補助額は異なります。また、保育料に関しても同様です。どこの自治体も乳幼児を持つ若い世代を呼び込みたいといった考えがあるのではないでしょうか」
助成制度は住む地域によって、内容はまちまち。今後引っ越しを検討するなら、家の費用や交通機関だけではなく、こういった行政が実施している制度も判断材料に加えるといいでしょう。
(文・奈古善晴/考務店)
※記事内容は2017年5月12日現在の情報です