「心臓神経症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「心臓神経症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

心臓神経症の治療

一通りの検査をおこない、検査結果が問題なければ、安心して症状が落ち着くこともあります。
ただし、症状が改善しない場合は、心療内科の診察を受けることが必要です。

症状を和らげるためには、不安や緊張を減らさないといけません。
その場合、認知行動療法などの治療法が用いられます。
また、症状が強い場合には、精神安定剤や抗不安薬が処方されることもあります。

認知行動療法

不安を感じるとき、多くの人はその不安を強めるような考え方や行動をしてしまいます。
たとえば、「胸痛はどんどん悪化する」「この胸痛はずっと続く」「このまま死ぬかもしれない」といった考えが自動的に浮かび、不安を感じる状況を避けようとします。

認知行動療法は、不安を悪化させる考え方や行動を少しずつ修正し、不安をコントロールできる自信を取り戻すための治療法です。
薬物療法と同等かそれ以上の効果があることが知られており、不安症のタイプに応じてさまざまな方法が用いられます。

薬物療法

薬物療法で使われる主な薬には、抗うつ薬と抗不安薬があります。
抗うつ薬はうつ病の治療に使われますが、不安にも効果があるため心臓神経症などの不安障害にも使われます。

セロトニン再取り込み阻害薬が第一選択薬です。
効果が現れるまでには時間がかかることが多いですが、継続することで不安の軽減が期待できます。
副作用としては、飲み始めの1週間以内に吐き気や下痢などの胃腸症状が出ることがありますが、多くの場合時間とともに改善します。
まれに不安やイライラが強くなり、怒りっぽくなることもあるため、専門家の慎重な管理が必要です。

抗うつ薬の効果が出るまでには2〜4週間かかるため、その間は抗不安薬を併用することが一般的です。
抗不安薬は即効性がありますが、長期間使用すると依存のリスクがあります。
不安を避けるために抗不安薬を常用すると、薬に頼りすぎることになりかねません。

副作用として日中にぼんやりしたり、眠気や倦怠感を感じることがあります。
抗不安薬を使用する際には、認知行動療法などの心理的なサポートを併用し、薬に対する依存を防ぐことが大切です。
また、抗不安薬を長期間使用すると、薬の効果が弱くなる耐性が生じることがあります。
そのため、抗不安薬はなるべく短期間の使用が推奨されます。

心臓神経症になりやすい人・予防の方法

神経質な方やストレスを貯めこみやすい方は注意が必要です。
心臓神経症は心の健康とも深く関わっているため、心身のバランスを保つことが重要です。
規則正しい生活を心掛けて、体を動かしリラックスする時間をつくってください。

また、呼吸法は不安を軽減するのに効果的です。
まず、呼吸筋をリラックスさせるためにストレッチを行いましょう。
その後、ゆっくりと息を吐く練習をすることで、心の落ち着きを取り戻せます。
息を吐くときにお腹をへこませ、息を吸うときにお腹を膨らませるように意識すると、深い呼吸がしやすくなります。

カフェインやアルコールの摂取量には注意が必要です。
過剰摂取は不安感を悪化させることがあります。
まずは、少しずつ量を減らしてみると良いでしょう。

関連する病気パニック障害

不安神経症

過呼吸症候群

参考文献

厚生労働省不安障害

日本精神神経学会塩入俊樹先生に「パニック障害/パニック症」を訊く

日本呼吸器学会Q8 急に胸が痛くなり続いています。

不安症 / 不安障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

国立精神・神経医療研究センター 不安症

厚生労働省若者のためのメンタルヘルスブック

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