「尿検査の前日」にしてはいけないことはご存知ですか?医師が徹底解説!

「尿検査の前日」にしてはいけないことはご存知ですか?医師が徹底解説!

「尿検査」で発見できる病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「尿検査」に関する病気を紹介します。
どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

腎臓病

腎臓病は、蛋白尿や腎臓の形態異常、腎機能の低下が認められる病態の総称です。尿検査で尿蛋白や尿潜血が陽性となった場合、腎臓病がある可能性があります。特に、蛋白尿が多いほど、末期腎不全となる可能性もあり注意が必要です。また、急性腎障害や腎炎でネフローゼ症候群をきたしている場合には早急な治療が必要なこともあり、尿蛋白が陽性と健診で指摘された場合には早めに腎臓内科を受診しましょう。

尿路感染症

尿路感染症は、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路系で起こる感染症の総称です。膀胱炎を起こすと、頻尿、排尿時痛や残尿感をきたし尿は混濁します。尿検査では、白血球や細菌、血尿がみられます。女性で起こりやすいです。膀胱炎は、抗生剤の内服で改善することが多いですが、高熱や背部痛を伴う場合には腎盂腎炎をきたしている可能性があります。この時には、点滴療法や入院治療が必要となることもあります。早急に内科もしくは泌尿器科を受診しましょう。

糖尿病

糖尿病で血糖値が上昇すると、尿検査で尿糖が陽性となります。糖尿病は、初期では自覚症状が出にくいです。しかし、放置するとさまざまな合併症をきたします。そのため、早めの治療と血糖値のコントロールが必要です。尿糖が陽性となった場合には、内科を受診しましょう。糖尿病が進行すると、糖尿病性腎症を合併し、尿検査では尿蛋白が出るようになります。糖尿病性腎症は、末期腎不全、透析導入の原因となり得ます。尿蛋白まで出ている場合には、しっかりと血糖値のコントロールなどの治療を続け、腎機能が悪化しないようにしましょう。

尿路結石

腎臓から膀胱までの尿路にできる石を尿路結石といいます。この石は腎臓で作られ、尿の流れに乗り、腎臓、尿管、膀胱と移動します。この時に、石が引っかかると激痛が起こり、これが結石発作です。尿路を塞いでしまうと、尿の流れが滞り、腎機能が悪化してしまうことがあります。尿検査では、潜血が陽性となる事が多いです。また、尿路感染を合併すると混濁し、白血球がみられることもあります。腰背部痛を伴うことが多く、尿路結石が疑われる場合には、泌尿器科を受診しましょう。

肝臓病

尿検査で尿の色が褐色となり、ウロビリノーゲンが陽性となる場合には肝臓病などで、血液中のビリルビンが上昇している可能性があります。これば、肝臓病や胆嚢炎、胆石など肝・胆道系疾患でみられることが多いです。健康診断で、ウロビリノーゲンが陽性であり、採血検査を行っていない場合には、内科を受診して採血などの精密検査を受けましょう。

尿路系悪性腫瘍

尿検査で潜血がみられる場合には、腎臓から膀胱までの尿路で悪性腫瘍がある可能性があります。腎がんや膀胱がんなどでは、がんの表面から出血することで尿に血が混ざることがあります。症状が分かりにくいことが多いですが、出血量が多いと肉眼的血尿をきたすこともあります。尿潜血のみ陽性である場合には、尿路系の悪性腫瘍の可能性も考え、泌尿器科を受診しましょう。

「尿検査の前日」についてよくある質問

ここまで尿検査の前日について紹介しました。ここでは「尿検査の前日」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

前日の尿や2日前の尿を提出しても良いでしょうか?

伊藤 陽子(医師)

前日や2日前の古い尿では正確な検査ができません。必ず当日の尿で検査をしましょう。

服薬している場合はどうしたら良いでしょうか?

伊藤 陽子(医師)

基本的には通常通り内服をして問題ありません。一部の薬に関しては尿検査に影響するものもありますので、必ず検査をする医療機関に申告しましょう。可能であれば、ビタミンCは尿潜血が偽陰性となってしまうため前日から内服しないようにしましょう。そのほかの薬に関して、心配であれば医療機関に確認をしましょう。

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