神経芽腫の前兆や初期症状について
神経芽腫の初期段階は無症状であることがほとんどですが、腫瘍の成長に伴い徐々に症状が現れ始めます。
一般的な初期症状はおなかの張りや硬いしこりの出現で、腫瘍が大きくなるにつれて不快感が生じることもあります。
発熱や倦怠感、食欲不振、体重減少などの全身症状や、眼球クローヌス(無意識の眼球運動)が生じることもあります。
神経芽腫の検査・診断
神経芽腫の検査では視診や触診などの検査に加えて、尿検査や血液検査、画像検査、骨髄検査、病理検査がおこなわれます。
確定診断は病理検査でおこなわれますが、病理検査が難しいケースではそのほかの検査結果で総合的に判断することもあります。
尿検査・血液検査
神経芽腫が疑われる場合は尿検査や血液検査をおこなって、特異的なマーカーの値を調べます。
神経芽腫では神経伝達物質のカテコールアミンがつくられることが多く、バニリルマンデル酸(VMA)やホモバニリン酸(HVA)となって尿中に排出される特徴があります。
血液検査では神経特異エノラーゼ(NSE)や乳酸脱水素酵素(LDH)、フェリチンが高値を示す可能性があり、骨髄に転移している場合は貧血や血小板減少の所見も認められます。
画像診断
超音波検査やCT検査、MRI検査で腫瘍の発生部位や大きさ、広がりを確認して進行の程度を判定します。
神経芽腫の腫瘍部位にはMIBG(メタヨードベンジルグアニジン)という物質が集まる特性があるため、MIBGシンチグラフィによって全身のMIBGの分布を調べ、ほかの臓器への転移を確かめます。
X線検査や骨シンチグラフィによって骨転移の有無や広がりも調べます。
骨髄検査
骨髄検査は、腫瘍細胞が骨髄まで浸潤しているか調べるためにおこないます。
左右の腸骨から骨髄液を吸引し、顕微鏡で腫瘍細胞の有無を確認します。
病理検査
病理検査は神経芽腫の確定診断としておこなわれ、手術や生検で採取した腫瘍細胞の状態を顕微鏡で調べます。
腫瘍細胞の状態はINPC組織分類によって分類され、組織の形態を主に4つのグループに分類します。
配信: Medical DOC