「神経芽腫」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

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神経芽腫の治療

神経芽腫の治療は、INRGリスク分類で分類されたタイプに従って選択されます。

INRGリスク分類では「腫瘍の進行度」「診断時の年齢」「INPC組織分類の評価」「MYCNの増幅」「染色体の異常」「腫瘍細胞の染色体数」を組み合わせて、神経芽腫のタイプを超低リスク群、低リスク群、中間リスク群、高リスク群の4つに分類します。

超低リスクの場合は経過観察となりますが、低リスク群、中間リスク群、高リスク群の場合は治療の対象になり、リスクに応じた治療法が選択されます。

低リスク群の治療

低リスク群は予後不良の因子を持たない状態や、腫瘍の進行度が低い状態などを指し、治療は腫瘍の摘出が優先されることが多いです。
手術で全ての腫瘍を摘出できない場合や、脊髄圧迫症状や呼吸障害が強い場合は、強度の弱い化学療法を短期間おこない、腫瘍を小さくしてから摘出することもあります。
1歳半未満で発症した腫瘍は自然に小さくなる可能性もあるため、治療をせずに経過を観察する場合もあります。

中間リスク群の治療

中間リスク群では、低リスク群よりも腫瘍の進行度が高いケースが多いため、中等度の化学療法により腫瘍を縮小させた後に、摘出手術をおこないます。
手術で腫瘍を完全に摘出できない場合は、放射線治療をおこなうこともあります。

高リスク群の治療

高リスク群はMYCNの増幅やさまざまな臓器の転移が起きているケースが多いため、強力な化学療法をおこなった後に、自家造血幹細胞移植を併用した大量化学療法をおこないます。
自家造血幹細胞移植で自身の造血幹細胞(血液細胞をつくるおおもと)を体内に戻すことで、化学療法による感染症などの副作用を防ぎます。
その後、腫瘍の摘出術と放射線療法をおこないますが、大きな改善が得られない場合は、臨床試験が検討されることもあります。
高リスク群の治療は大量化学療法から手術までの期間を含めると1年近くの入院になるため、学校に通っている子どもは院内学校に転校するケースが多いです。

神経芽腫になりやすい人・予防の方法

神経芽腫になりやすい人や予防の方法はわかっていません。

予後の悪化を防ぐためには早めの発見と治療が重要であるため、乳幼児健診などの定期的な健康チェックを欠かさずに受けることが推奨されます。

関連する病気

眼球クローヌス

ミオクローヌス症候群

白血病脳腫瘍

リンパ腫

胚細胞腫瘍

参考文献

がん情報サービス神経芽腫〈小児〉

国立研究開発法人国立成育医療研究センター神経芽腫|小児がん

一般社団法人日本小児外科学会神経芽腫

JCCG神経芽腫委員会神経芽腫とは

国立がん研究センター小児の固形悪性腫瘍

小児慢性特定疾病情報センター神経芽腫

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