「動脈瘤」を起こしやすい人の特徴をご存知ですか? 原因・症状を医師が解説

「動脈瘤」を起こしやすい人の特徴をご存知ですか? 原因・症状を医師が解説

動脈瘤の前兆や初期症状について

瘤ができたからといって即症状が現れるとは限らず症状が出ないまま進行する人が多いですが (参考文献 1, 3)、瘤が近くの構造を圧迫することによって出ることがある症状があるため、それらについて解説します。
胸部大動脈瘤では、瘤の近くに声帯の調整をする神経 (反回神経) が通っているため、反回神経が圧迫されることによる声のかすれ (嗄声) や、食べ物や飲み物でむせてしまうといった症状、場合によっては胸や背中の痛み、息苦しさなどを自覚することがあります (参考文献 1) 。
腹部大動脈瘤が大きくなると、痩せた人では体表からお腹に拍動のある瘤を触れられるようになることがあります (参考文献 1)。
脳動脈瘤では、瘤が動眼神経という目の動きにかかわる神経を圧迫して、物が二重に見えたりまぶたが思ったように動かないという症状が出ることがあります (参考文献 3)。

動脈瘤に関しては無症状のことが多いですが、気になる症状がある場合は近くの内科を受診しましょう。
大動脈解離や大動脈破裂、くも膜下出血は速やかな治療が必要不可欠です。激烈な症状が出たらすぐに救急車を呼んでください。場合によっては激しい症状が出ないことがありますが、すぐに検査や治療が必要なことに変わりはないので、普段と違うことがあれば近くの病院や診療所を受診しましょう。

動脈瘤の検査・診断

無症状のことが多い大動脈瘤や脳動脈瘤は、他の病気の診察や人間ドックで偶然に発見されることが多いとされています (参考文献 1, 2)。
動脈瘤が発見された後は詳しい画像検査をしたり、経過を見ながら治療のタイミングや、その治療方法について探っていくことになります (参考文献 1, 2)。

関連記事: