肺がんステージ3の症状
肺がんはステージ1と2の状態では初期症状がみられないケースが少なくありません。そして、進行して初めて症状がでることがあります。
また肺がん特有の症状はなく、症状のみで肺がんと判断することは不可能といわれています。医療機関へ受診し、検査を行い正確な診断を確定させることが重要です。
発熱
がんが肺やほかの臓器に転移すると、炎症や感染を引き起こし、熱が出ることがあります。発熱だけでは一般的な呼吸器疾患と症状が同じであるため、熱が5日以上下がらない場合は、近くの医療機関に受診するのが望ましいでしょう。
声のかすれ
声のかすれが起きる原因は、声帯を動かしている反回神経にがんが発生したり、リンパ節にがんが転移して神経を圧迫したりした場合などが挙げられます。この症状は、喉頭がんや声帯ポリープなどにもみられる症状です。
顔や首の腫れ
がんがリンパ節に転移している場合に、がんによって上大静脈が圧迫されて血液の戻りが悪化し、顔や首が腫れることがあります。上大静脈とは、上半身に流れた血液が心臓に戻るときに通過する太い血管のことを指します。
肺がんステージ3の治療方法
肺がんの治療方法は、がんのステージ・種類・発生位置・健康状態などで異なります。それらの状態に適した治療方法を基本に、ご本人の希望や年齢、生活環境などを含めて医師と検討していきます。
説明を理解し、ご自身が納得したうえで治療方法を決定していきましょう。そのためにも、医師との信頼関係を構築していくことが大切です。
手術療法
肺がんステージ3の状態での手術は肺の一部を切除することもあるのですが、完治ではなく症状を軽減し進行を遅らせることを目的としています。
肺がんの手術療法は患者さんのがんの状態と身体的負担により決定され、切除する範囲が異なります。肺がんの手術療法は下記の4種類です。
肺全摘術
肺葉切除
区域切除
楔状切除
上から順に切除する部分が増え、それに伴い肺活量を損なわれるため心肺機能や体力が低下します。ただし、肺がんステージ3のなかでも組織の型によっては完治を目的として手術を行うこともあります。
放射線療法
放射線療法は、手術を行える程の体力がない方や、手術ではがんを取り切るのが難しい方の場合に選択される治療方法です。
肺がんステージ3の状態での放射線療法は、症状の軽減と緩和、延命などを目的として行っています。医学的に手術が可能な方でも本人が希望しない場合には放射線療法を選択されることがあります。
化学療法
化学療法とは、体内にひろがったがん細胞に抗がん剤を使用する全身に対する治療方法です。がん細胞が増えるのを阻止し、死滅を促す役割があります。手術や放射線治療を行うことができない場合に選択されることが多いのですが、化学療法のみでの完治は難しいといわれています。
化学療法ではがんの縮小や進行を遅らせ、症状をやわらげる効果が期待できます。患者さんのがんの進行度や健康状態にあわせて、手術や放射線治療との併用か単独での治療かになります。
また、抗がん剤の投与量や投与期間についても個人差があるため理解したうえで慎重に検討しましょう。
配信: Medical DOC