水疱性類天疱瘡の前兆や初期症状について
水疱性類天疱瘡の初期症状は、強い痒みを伴う発疹で、膝の裏側、わきの下、肘の内側、鼠径部など、関節によって曲げる部位に多く生じます。水疱が形成される前に、赤みやかゆみのある斑点(はんてん)や丘疹(きゅうしん)が現れることもあります。
痒みは特に夜間に悪化することが多く、睡眠障害の原因となることもあります。時間が経つにつれ、小さな水疱が形成され始め、徐々に大きくなっていきます。全身にびらんが発症するため、症状が重くなると体液や血液が体外に出ていって低栄養や貧血を起こす可能性もあります。低栄養や貧血が悪化すると、細菌感染症による敗血症を引き起こし、命に関わることもあります。
口腔内症状も初期に現れることがあり、口内炎や歯肉の炎症として現れます。また、全身的な症状として軽度の発熱や倦怠感を伴うこともあります。水疱性類天疱瘡の初期症状は、他の皮膚疾患と似ているため鑑別が難しいですが、これらの症状が持続したり悪化したりする場合は、早期に医療機関を受診することが重要です。
水疱性類天疱瘡の検査・診断
水疱性類天疱瘡の検査は、臨床症状、皮膚生検、血液検査などの方法を組み合わせて行い、検査結果を総合的に評価することで、確定診断が可能となります。
まず、医師は患者の症状や病歴を詳しく聴取し、皮膚に水疱がないか詳細な視診を行います。
皮膚生検では水疱を含む皮膚の一部を採取し、組織学的検査を行います。光学顕微鏡を使用すると、表皮と真皮の間に水疱が形成されている所見が観察されます。さらに、直接免疫蛍光法を用いて、基底膜領域に沿って免疫グロブリンGや補体C3の線状沈着がないか確認します。
血液検査では、抗BP180抗体や抗BP230抗体などの自己抗体を測定します。自己抗体は、間接免疫蛍光法やELISA法などの手法で検出されます。一部の施設では、塩分分離試験やウエスタンブロット法などの検査も行うこともあります。
配信: Medical DOC