「水疱性類天疱瘡」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「水疱性類天疱瘡」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

水疱性類天疱瘡の治療

水疱性類天疱瘡の治療は、症状の重症度や患者の全身状態に応じて決定されます。治療の目標は、水疱の形成を抑制し、痒みや痛みを緩和することによる合併症の予防です。

治療の第一選択は通常、全身性ステロイド薬になります。プレドニゾロンなどの経口ステロイド薬が高用量で開始され、症状の改善に伴って徐々に減量していきます。ステロイド薬の長期使用に伴うリスクを軽減するため、アザチオプリンやミコフェノール酸モフェチルなどの免疫抑制剤が併用されることも多くあります。
重症例や治療抵抗性の症例では、血漿交換療法、ステロイドパルス療法、大量ガンマグロブリン静注(IVIG)療法、アザチオプリンなどの各種免疫抑制薬を併用します。局所療法としては、ステロイド軟膏やタクロリムス軟膏などの免疫抑制外用薬が使用されます。

水疱性類天疱瘡は再発を繰り返すことがあり、ステロイド内服の副作用も出やすいことから慎重な治療が必要になります。水疱が多数発症している場合は、適切な水泡のケアが大切です。二次感染を予防するために抗生物質が使用されることもあります。痒みのコントロールには抗ヒスタミン薬が用いられます。

治療の経過中は、定期的な血液検査や皮膚の評価も必要になります。長期的な管理も必要となるため、患者教育や生活指導も大切です。

水疱性類天疱瘡になりやすい人・予防の方法

水疱性類天疱瘡は60〜90歳の高齢者に多く見られます。

水疱性類天疱瘡を予防する方法は確立されていませんが、日焼け止めや長袖の着用などで外出時の紫外線を予防したり、リラックス法や適度な運動を日常生活に取り入れたストレス管理が大切です。日々のバランスの取れた食事や十分な睡眠も、全身の健康維持につながります。

高齢者や自己免疫疾患の既往がある人は皮膚の変化に注意を払い、気になる症状があれば速やかに医療機関を受診することが大切です。

水疱ができた場合は、悪化を防ぐために絆創膏を直接張らないようにしてガーゼで包むようにしましょう。ゆったりとした衣類や下着を着用して強い刺激を加えないことも重要です。

関連する病気

乾癬

糖尿病関節リウマチ潰瘍性大腸炎多発性硬化症

パーソナリティ障害

参考文献

水疱性類天疱瘡についての基本知識

天疱瘡・類天疱瘡患者の日常生活における困難感

水疱性類天疱瘡の栄養療法の確立に向けて

類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)診療ガイドライン

公益社団法人類天疱瘡(水疱症)

難病情報センター皮膚疾患分野|水疱性類天疱瘡(平成24年度)

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