「若年性アルツハイマーの原因」はご存知ですか?発症しやすい人の特徴も医師が解説!

「若年性アルツハイマーの原因」はご存知ですか?発症しやすい人の特徴も医師が解説!

若年性アルツハイマーの原因とは?Medical DOC監修医が若年性アルツハイマーの原因・10代・20代で発症する原因・なりやすい人の特徴・なりにくい人の特徴・初期症状・セルフチェック法・予防法などを解説します。

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監修医師:
秋谷 進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

1999年、金沢医科大学卒業。金沢医科大学研修医を経て2001年国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)小児神経科、2004年6月獨協医科大学越谷病院(現・獨協医科大学埼玉医療センター)小児科、2016年児玉中央クリニック児童精神科、三愛会総合病院小児科を経て、2020年5月から現職(東京西徳洲会病院小児医療センター)。専門は小児神経学、児童精神科学。

「若年性アルツハイマー」とは?

「若年性アルツハイマー病」とは、一般的には65歳以上で発症することが多いアルツハイマー病が、65歳未満で発症する認知症のこと。若年で発症すると、働き盛りや子育てなどが大変な時期なので、本人だけでなく家族や周囲にも大きな影響を与えやすいですよね。

さらに若年性アルツハイマー病は、記憶障害だけでなく、判断力や計画性の低下、性格の変化など、さまざまな症状が現れます。早期発見・早期治療が重要ですが、若年層ではうつ病やストレスなどと誤診されるケースもあり、診断が遅れやすいのも特徴です。

今回、若年なのに「認知症かな?」と思った方に対して、若年性アルツハイマー病の主な特徴や原因、セルフチェック法を含めてわかりやすく解説していきます。

若年性アルツハイマーの主な原因

高齢者が発症するアルツハイマー同様、若年性アルツハイマー病においても、アミロイドβと呼ばれるタンパク質が脳内に蓄積することが、発症の重要なメカニズムの一つと考えられています。

アミロイドβは、本来は脳内で正常に代謝されるべきタンパク質ですが、何らかの原因で代謝がうまくいかなくなると、脳内に蓄積し始めます。アミロイドβが蓄積すると神経細胞にダメージを与え、脳の機能を低下させます。

最近の研究では、アミロイドβの蓄積は、若年性アルツハイマー病の発症の数年前から始まっている可能性が示唆されています。また、アミロイドβの蓄積パターンは、若年性と高齢者発症のアルツハイマー病で異なる可能性も指摘されています。

事実、Mendez (2019) の論文では、アミロイドPETイメージングを用いた研究において、早期発症アルツハイマー病と診断された患者のほとんどが、陽性であったと報告しています。

したがって、若年性アルツハイマー病にならないようにするためには、「いかにアミロイドβを脳内に蓄積させないか」が対策の肝になります。

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