十二指腸潰瘍の治療
ピロリ菌の除菌や NSAIDs 服用の見直しに加えて、胃酸分泌を抑制する薬剤を服用するといった治療があり、これらを組み合わせて治療していきます (参考文献 3)。
ピロリ菌の除菌では、抗菌薬と胃酸産生を抑える薬を服用した後、再度ピロリ菌がいるかの検査をして、しっかり除菌できたことを確認します。
これらの治療の後も患者さんによっては定期的な内視鏡検査が奨められることがあります (参考文献 3)。
十二指腸潰瘍になりやすい人・予防の方法
十二指腸潰瘍など消化性潰瘍の危険因子としては次のようなものが知られています (参考文献 2) 。
喫煙
お酒をたくさん飲むこと
ピロリ菌が感染しやすくなるような特定の遺伝要因
強いストレスや抑うつ状態
睡眠時無呼吸症候群
これらの危険因子をみると、喫煙やお酒、自分のメンタルヘルスを保つことなどは予防につながりそうです。また、果物や野菜、食物繊維の多い食事をしている人は消化性潰瘍のリスクが低下することが報告されており (参考文献 2) 、適切な食生活は睡眠時無呼吸症候群の原因の1つである肥満の予防・改善につながるため、食生活の改善や運動も十二指腸潰瘍予防になるのではないでしょうか。
参考文献
1.UpToDate. Peptic ulcer disease: Clinical manifestations and diagnosis
2.UpToDate. Peptic ulcer disease: Epidemiology, etiology, and pathogenesis
3.UpToDate. Peptic ulcer disease: Treatment and secondary prevention
4.UpToDate. Association between Helicobacter pylori infection and duodenal ulcer
5.落合慈之ら. 消化器疾患ビジュアルブック. 第2版. 株式会社 学研メディカル秀潤社. 2014. 82-85項
配信: Medical DOC