ロタウイルス(こども)の治療
ロタウイルスの感染症に対する特別な治療法はなく、下痢やその他の症状に対する対症療法が軸になります (参考文献 1) 。先ほど紹介したように脱水がひどくなる場合が多いので、患者さんの状態に合わせて経口での水分摂取や、口から飲めない場合には点滴をして、身体の中に十分量の水分を確保することが重要です (参考文献 1)。
小さなお子さんだと口から水を飲むことが難しくなってしまうことも多いかと思いますので、早めに近くの内科や小児科を受診しましょう。
「下痢の症状に対して下痢止めを使えばいいのでは?」と思うかもしれませんが、下痢止めを使うことでウイルスの排出が妨げられ、回復も遅くなってしまうことがあるので通常使用しません (参考文献 2) 。
ロタウイルス(こども)になりやすい人・予防の方法
ロタウイルス感染症は乳幼児期にかかりやすい病気で、その感染力の強さから、5歳までにほぼすべての子供がロタウイルスに感染するといわれています (参考文献 1, 2)。また、例年春先に流行のピークがあるとされています (参考文献 1)。
お子さんがロタウイルス感染症になった時には、オムツの処理の際に手袋着用や手洗いの徹底である程度は身を守ることはできますが、ロタウイルスの感染力があまりに強いので完全に予防することは難しいとされています (参考文献 1, 2) 。
ロタウイルス感染症には「初回感染時の症状が強く、2回目以降の感染では症状が比較的軽い」という特徴があります (参考文献 1) 。ロタウイルスに対するワクチン接種が生後6週からスケジュールされていますので (参考文献 1, 2) 、計画通りにしっかりお子さんにワクチン接種させることで重症化を予防できるといえるでしょう。
参考文献
1.国立感染症研究所. ロタウイルス感染症胃腸炎とは (2013)
2.厚生労働省. ロタウイルスに関する Q & A
配信: Medical DOC
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