根尖性歯周炎の前兆や初期症状について
根尖性歯周炎の初期症状では、噛んだ時の痛みはありますが、冷たいものや熱いものがしみることはありません。歯の根元を押したときに痛みが出ます。
症状が進行するにつれて、痛みは強くなりますが、さらに進行すると歯の内側の神経が入っている歯髄という部分が壊死するため、痛みの症状は消えていきます。
根尖性歯周炎の検査・診断
根尖性歯周炎の検査では、X線検査やCT検査などの画像検査、打診、温度診・電気刺激診が行われます。
X線検査
根尖性歯周炎のX線検査は口内から観察できない歯根部分の評価をするために、歯科デンタル撮影や歯科パノラマ撮影が行われます。
歯科デンタル撮影は、フィルムを口の中に固定した状態でX線を当てて歯の写真を撮る検査であり、歯科パノラマ撮影は機械に乗せた顔の周りを装置が回転しながら、口内の状態を1枚の写真で撮影する検査です。
歯科デンタル撮影の写真は画質が良く、歯の根尖部の炎症の観察に優れています。
歯科パノラマ撮影は口内の状態や顎関節から顎の先までを一度に撮影できるため、病変の広がりや他の場所の病変の有無を確認することができます。
CT検査
根尖性歯周炎のCT検査は、X線を顔に向けて360°方向から当てて撮影します。
CT検査は歯や骨の撮影に優れているため、口内の位置関係を把握することに有効です。
CT検査は手術方法を検討する際に行われることが多く、治療の成功率の向上に効果があることが報告されています。
打診
根尖性歯周炎の診断では、歯の表面をたたく打診が行われることもあります。
打診には垂直打診と水平打診があり、歯の上側からたたく垂直打診により痛みが出る場合には根尖性歯周炎の可能性が疑われます。
温度診・歯髄電気診
温度診や歯髄電気診は、痛みの有無を確認する検査です。
温度診は冷たいものや熱いものを歯に押し当てることで、歯髄電気診は微弱な電気を歯に流すことで痛みの有無を確認します。
神経が機能している歯髄炎では痛みが現われますが、根尖性歯周炎を患っている場合は神経が機能していない場合が多く、温度や電気による痛みを感じなくなります。
配信: Medical DOC