アミロイドーシスの治療
アミロイドーシスのタイプによって治療戦略が異なります。
ALアミロイドーシスでは背景にある血液疾患の治療がアミロイドーシス自体のコントロールにとっても重要で、血液疾患の種類にもよりますが、化学療法や造血幹細胞移植が選択肢になることが多いです (参考文献 2, 3) 。
AAアミロイドーシスは背景にある炎症のもとなる感染症や各種疾患のコントロールが軸になり、炎症を引き起こす体内の伝達物質を抑制する生物学的製剤が使われることがあります (参考文献 2) 。
遺伝性アミロイドーシスでは、肝臓のアミロイドーシスに対してアミロイドのもとになる物質の産生を阻害する薬剤を使用したり、心臓や肝臓の移植治療が選択される場合があります (参考文献 2) 。
アミロイドーシスになりやすい人・予防の方法
アミロイドーシスの原因を考えれば、ALアミロイドーシスは特定の血液疾患への罹患が、AAアミロイドーシスは感染症や慢性の炎症性疾患への罹患がリスク因子といえるでしょう。
遺伝性アミロイドーシスはアミロイドーシスの家族歴のほか、神経障害・心不全・腎不全・肝不全の家族歴がある場合は、それらの家族歴がアミロイドーシスによる場合であった可能性があるため、このような家族背景のある方はアミロイドーシスの発症リスクは高いと言えるかもしれません (参考文献 2) 。また、遺伝性アミロイドーシスは地域によって発症リスクに差があることが知られており、日本国内だと熊本県、長野県、石川県で多いことが知られています (参考文献 4) 。
腎不全の患者さんでは透析治療を受けることがありますが、長期間透析を受けているとβ2ミクログロブリンという物質が体内に蓄積してアミロイドーシスを発症することがあります (参考文献 2) 。
参考文献
1.難病情報センター. 全身性アミロイドーシス. 病気の解説
2.UpToDate. Overview of amyloidosis
3.UpToDate. Treatment and prognosis of immunoglobulin light chain (AL) amyloidosis.
4.Araki S et al. Transthyretin-related familial amyloidotic polyneuropathy-Progress in Kumamoto, Japan (1967-2010)-. Proc Jpn Acad Ser B Phys Biol Sci. 2010;86(7):694-706.
配信: Medical DOC
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