親子で発達障がいを抱える【モンズースーさん】が子育てを語る

第1回 親子で発達障がいのモンズースーさんが語る
『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』(KADOKAWA)を出版したモンズースーさん。自身も「ADHD(注意欠如多動性障がい)」と診断され、発達障がいグレーゾーンの2人の息子さんとの日常をコミックエッセイで綴っている。育児に日々奮闘するモンズースーさんが、「発達障がい」を通じた子育てについて語ってくれた。

●「通報されるかも」と心配に…子どものかんしゃくに悩む日々

モンズースーさんが、子育てを始めてからずっと悩んでいたのは、「子どものかんしゃく」だった。上の子どもはとにかくかんしゃくが強く、とても苦労したとか。かんしゃくが始まるとうまく切り替えができず、1時間引きずることはよくあり、長い時は一晩中続くこともあったそうだ。そのため、かんしゃくを起こさないようにすることが大切で、生活もそのことを第一にしていたのだという。

「かんしゃくというのは理由があって起きるもの。泣かれてしまうとどうしようもないので、うまく切り替えることが必要でした。とはいえ、危険なことはやらせてはいけないし、収まりがつかないことも…。あまりの泣き声に『周囲から虐待で通報されるのではないか』と思ってしまうこともありました。自分はかんしゃくに慣れていますが、『周りの人たちは大丈夫かな?』と心配になり、外出することもできませんでした」(モンズースーさん 以下同)

かんしゃく

●パニックになったら楽しいことをする

かんしゃくがひどかったとき、モンズースーさんはどうやって子どもを、そして自分を落ち着かせていたのだろうか。

「もしも子どもがパニック状態になったら、とにかく落ち着かせますが、一方で、私自身も落ち着かなくなることがあるんです。そういうときは、やらなければいけないことがあっても一旦やめて、楽しいことをするように心がけています」

楽しいことといっても、「豪遊する」わけではない。ちょっと遊びに行ったり、子どもと一緒に思いきりお菓子を食べたり、ご飯を作らず近所でお弁当を買って済ませたり…。そんな1000円くらいの、”ちょっとした贅沢”をする。「自分自身を落ち着かせるために楽しいことをする」というのは、子育て中のママみんなに使えるテクニックかもしれない。

●「この子はそういうタイプなんだ」と思うとラクになる

長男のこうした状況が続き、1歳半健診で保健師と話したことをきっかけに、市の紹介を受け、心理士に発達段階を見てもらう機会を得たモンズースーさん。そこで、発達の遅れを指摘され、「療育施設」の存在を知る。当時を振り返って、彼女はこう語る。

「うちの子は発達障がいの疑いがあるグレーゾーンです。ただ、グレーゾーンということがわかった時は、なんとなくわかっていたとは言え、結構重いなと感じました。重いけれど、ざっくりと、『この子はそういうタイプの人なんだ』とわかり、関連する本もたくさん出ていたので、そういう人の対処法を調べることができるようになったんです」

子どもの状態を前向きに考えることができるようになり、現在の明るい子育てができるようになったモンスーズーさんは、「『白か黒か』を決めたがる人は多いけれど、それが偏見につながってしまうこともある」と語る。

「これができるからいい子、あれができないからダメな子」と、ある一面だけをとらえて白黒つけることを否定するモンズースーさん。母親であればどんな特性も受け止め、すべて含めた上での「その子」であることを忘れずに…。何より明るい子育てをすることが大切だ。

(取材・文/相馬留美)

     

お話をうかがった人

発達障がい
モンズースー
漫画家
第29回 コミックエッセイプチ大賞受賞。出産後、ADHDと診断される。基本のんきで前向き。受賞後始めたブログ 『漫画 生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした』が、アメブロ総合1位に。
第29回 コミックエッセイプチ大賞受賞。出産後、ADHDと診断される。基本のんきで前向き。受賞後始めたブログ 『漫画 生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした』が、アメブロ総合1位に。

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幼いころから生きづらさを抱えていた私が生んだ子は、二人とも発達障害グレーゾーンでした。未来が怖い、人目が怖い、集団が怖い。絶望と希望を繰り返しながら、それでもなんとか前向きに生きていく姿に、共感と応援の声!アメブロで総合1位を獲得した実録コミックエッセイ。未発表秘話100ページ以上を収録して刊行!
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母、主治医、友人・又吉直樹氏のインタビューも収録。8歳で発達障害と診断された僕が、なぜ自分の才能を生かす場所をみつけて輝けるようになったのか。同じ障害がありながら、いつも僕を信じて導いてくれた母。そしてアメリカの「発達障害」に対するおおらかな環境と、学んだ英語が自信を持たせてくれたこと。されて嫌なことを人にはしないと決めた、人として愛される生き方など。ADDの特徴である衝動性を抑え、苦手なコミュ力を克服し、モデル・タレント・役者として歩んできたこれまでの道のりを語る。母、主治医、友人・又吉直樹氏のインタビューも収録。
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かわいいおサルさんにバナナをあげましょう。 バナナを掴んでお猿さんの口に入れて下さい。 指の力や握力をつける訓練、お箸の訓練、集中力 にも最適です。
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