大人のRSウイルス感染症の治療・予防法
大人のRSウイルス感染症の治療法は?
RSウイルス感染症には特効薬とよばれるものはありません。治療は主に対症療法で対応します。対症療法の内容は、軽症の場合は市販の解熱鎮痛薬や水分補給などで、重症の場合は酸素投与・点滴・呼吸管理など症状を和らげる治療方法です。ただ、気管支拡張剤に関しては期待される程の効果が得られなかったという報告も少なくないので、一定の見解は得られていません。回復までにかかる期間は軽症の場合数日間で、重症化していく家庭の呼吸困難などの症状がでた場合は1週間程度かかることもあります。
大人のRSウイルス感染症の予防法は?
感染症の予防はマスクの着用や手洗い・アルコール消毒、人混みを避けるなどの基本的な感染予防対策が大切です。さらに、60歳以上や胎児への影響を予防するために妊婦が摂取するワクチンがあります。ワクチンはアレックスビー筋注用とアブリスボ筋注用の2種類です。アレックスビー筋注用は60歳以上の方向けのワクチンで、副作用はアナフィラキシーショックがあります。アブリスボ筋注用は60歳以上の方と24〜36週の妊婦向けのワクチンで、副作用はアナフィラキシーショックです。どちらのワクチンも37.5度以上の発熱や重篤な急性疾患にかかっている方、アナフィラキシーショックをおこしたことがある方は注射できません。
発症した場合は出勤停止になりますか?
RSウイルスに感染した場合の出勤停止期間は特に定められていません。風邪などのほかの出勤停止期間の定められていない病気と同じように咳や発熱などの症状がなくなり元気になれば出勤することができます。ただ、大人が発症した場合、風邪のような症状のため知らずに周囲に感染を広めてしまうことがあります。小さい子どもや高齢者など重症化のリスクがある方たちにうつさないためにも、咳やくしゃみなどの症状が出た場合はマスクや手洗などの感染に対する対策をしっかりとるようにしましょう。
編集部まとめ
ここまで大人も発症するRSウイルス感染症の症状・感染経路・重症化リスクなどを解説しました。
大人がRSウイルス感染症を罹患した場合はまず咳や鼻水・発熱などの風邪のような症状がでます。重症化しやすいのは高齢者や基礎疾患がある方で、重症化した場合重い肺炎になることがあります。
RSウイルス感染症に感染した場合の治療方法は対症療法です。軽症の場合は市販の解熱鎮痛薬で、重症化した場合は症状に合わせて酸素投与・点滴・呼吸管理などを行います。
感染しないためにはマスクや手洗い・うがい・アルコール消毒などの基本的な感染予防対策が大切です。
小さい子どものいる家庭や基礎疾患を持っている方はできるだけ感染しないように感染予防を行い、RSウイルスに感染しないようにしましょう。
参考文献
RSウイルス感染症とは(国立感染症研究所感染症情報センター)
RSウイルス感染症Q&A(令和6年5月31日改訂)(厚生労働省)
ワクチン接種を受ける人へのガイド
配信: Medical DOC
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