症候性てんかんの前兆や初期症状について
症候性てんかんの発作症状は、脳のどの部位から異常な電気信号が発生しているかによって異なります。脳の一部からおこる「部分発作」と脳全体が一気に興奮する「全般発作」の2つに分類されます。
ほとんどの場合、発作の持続時間は数秒から数分ですが、数時間以上続く「てんかん重積状態」が出現する場合もあります。
部分発作(焦点発作)
部分発作では、患者が発作を覚えている場合と覚えていない場合があります。
運動発作
意識がもうろうとしたり、手足を大きくばたつかせたりするなど、大きな動きが特徴の発作です。前頭葉から過剰な電気信号が始まる「前頭葉てんかん」でみられます。
非運動発作
けいれんなどのぱっと見ただけでわかるような動きがない発作のことを指します。
動作が止まる、呼びかけに反応しない、一点を見つめているなどの症状が現れます。発作前後の記憶が飛んでいることが多いです。
過剰な電気信号の始まりが側頭葉にある「側頭葉てんかん」で多くみられます。
全般発作
強直間代発作
大発作とよばれる全身のけいれん発作です。
意識がなくなり、手足がけいれんした後に全身ががくがくするけいれんに移行します。
欠神発作
突然反応がなくなり数秒間ぼーっと宙を見つめる発作です。
発作中は目がうつろになることが多いですが、転倒したりけいれんしたりすることもないので、周囲から気づかれづらいです。発作後は何事もなかったかのように、それまでの作業を再開します。
症候性てんかんの検査・診断
症候性てんかんの診断は、症状がてんかんによるものなのか、または違う疾患による症状ではないかを見極めます。
診断のためには、発作時の自覚症状や家族からみた発作の様子をくわしく確認することが重要です。発作が起きた際にスマートフォンで動画を撮影し、診察時に主治医に見せることも診断に役立ちます。
問診以外では脳波やMRIをおこないます。脳全体をくわしく調べ、脳のどの部位にどんな原因があるかを診断します。
血液検査・尿検査
てんかん発作は中枢神経の感染症によっても起こることがあるため、それらを除外するために血液検査と尿検査をおこないます。
脳波
脳波は頭皮に電極を着けて脳の電気信号を記録する検査です。
過剰な電気信号がでているかどうか、どこからどのようにでているかを調べます。診断だけでなくてんかんの発作型も判定できます。
MRI
脳のMRIによって脳の異常を細かく観察することができるため、異常な電気的興奮がどこから発生しているかを調べることが可能です。
配信: Medical DOC