「症候性てんかん」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「症候性てんかん」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

症候性てんかんの治療

症候性てんかんの治療は、薬物療法、外科治療、食事療法の3つがあります。

てんかん発作で突然意識がなくなったり、自分の意思に反して体が動いてしまったりすることは、日常生活の質の低下につながります。また事故にあう危険性が高まったり、就学や就職、運転などに対してハンディキャップとなることもあります。

てんかんの治療はてんかんの発作をおこさないこと、できる限り発作の回数を減らし、最終的には発作をゼロにすることが目標となります。

薬物療法

薬物療法では、抗てんかん薬を用います。脳の電気的な興奮を抑えたり、電気信号が周りの神経に広がらないようにすることで、発作を抑えます。
適切な服薬管理で、発作の消失や発生頻度を減らすことができます。

外科治療

内服治療の効果がみられない場合は、外科手術が検討されます。外科手術はすべてのてんかんに対して適応となるわけではなく、切除しても障害が残らないと判断される場合のみ手術が可能です。
病気を完全に治すことを目的とした根治手術と発作の程度や頻度を改善する緩和手術があります。

食事療法

抗てんかん薬の内服でも発作を抑えられない、治りづらいてんかんの場合に検討されます。てんかんの食事療法には、ケトン食療法が挙げられます。てんかん発作が減る効果があるとされています。

症候性てんかんになりやすい人・予防の方法

症候性てんかんはさまざまな年代で発症する可能性があり、近年では高齢者での発症が多く報告されています。
脳になんらかの異常がある方は、症候性てんかんになりやすいです。

抗てんかん薬を飲んでいても、日常生活が乱れるとてんかん発作が再発することがあります。以下に注意して生活しましょう。

服薬を継続する

薬を飲み忘れると発作が起きやすくなります。薬を内服し忘れたときの対応について、主治医へ確認しておくことをおすすめします。また、発作が収まっていても自己中断せずに飲み続けましょう。

規則正しい生活をおくる

不規則な生活は発作を起こしやすくします。昼夜逆転を避け、毎日決まった時間に眠りましょう。また十分な睡眠時間をとるようにしましょう。

疲労やストレスをためない

身体的・精神的ストレスがあると、発作が現れることがあります。過労や睡眠不足を避け、ストレスをためないようにしましょう。ゆっくりお風呂に入る、趣味を楽しむ時間をつくるなど、1日の中でリラックスする時間を確保しましょう。

アルコールは飲み過ぎない

アルコールを飲みすぎた後、酔いが醒めるときに発作が再発することがあります。アルコールは適量を守りましょう。

発作を記録する

どんなときに発作が起こったのか、メモを残しておくようにしましょう。何時に発作がおきたか、何をしていたときにおきたか、疲労がたまっていなかったか、寝不足ではなかったか、薬の飲み忘れはなかったか、どんな症状だったかなど、わかる範囲で記録しておくことをおすすめします。診察時に持参すると治療にも役立つでしょう。

関連する病気

早期ミオクロニー脳症

ウエスト症候群

頭部外傷

自己免疫性脳炎

脳卒中認知症

参考文献

てんかん対策|厚生労働省

てんかん|国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所

てんかんについて|公益社団法人 日本てんかん協会

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