溶血性貧血の治療
溶血性貧血のタイプにより治療方針は異なります。一例として自己免疫性溶血性貧血 (AIHA) の治療法を紹介します。
AIHA は免疫システムが自分の赤血球を攻撃してしまうことにより赤血球の破壊が進み、貧血になってしまう病気です (参考文献 3)。
対症療法として貧血が重症であれば赤血球輸血をすることもありますし、AIHA の原因となる基礎疾患や薬剤が明らかになれば、原因疾患の治療や投薬内容の見直しが AIHA の治療にもなります (参考文献 3)。
AIHA は免疫システムの異常による溶血性貧血なので、免疫抑制剤を使用して AIHA の病勢コントロールを狙うこともあります (参考文献 3) 。
溶血性貧血になりやすい人・予防の方法
溶血性貧血のタイプによって異なりますのでいくつかの例を紹介します。
先ほど紹介した AIHA、特に温式 AIHA とよばれるタイプでは特定のウイルスへの感染や SLE などの自己免疫疾患、リンパ増殖性疾患などが発症のリスクとされています (参考文献 3) 。
遺伝性の溶血性貧血には赤血球関連の酵素の異常が背景にある疾患への罹患 (G6PD、ピルビン酸キナーゼなどの異常)、ヘモグロビンの異常によるもの (鎌状赤血球症、サラセミアなど)、赤血球の細胞膜に関連する異常 (遺伝性球状赤血球症など) が知られており (参考文献 1) 、これらの疾患にかかったことがある人が血縁者にいることが発症のリスクといえるでしょう。
色々な原因があるため全てに言及することは避けますが、気になる症状や家族歴があれば、早めに病院を受診することが重症化予防になると言えるのではないでしょうか。
参考文献
1.UpToDate. Diagnosis of hemolytic anemia in adults
2.UpToDate. Patient education: Anemia overview (The Basics)
3.UpToDate. Warm autoimmune hemolytic anemia (AIHA) in adults
配信: Medical DOC
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